インタビュー

アングラな風俗業界が、マイナンバーによってポジティブに変化する可能性

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今年10月から施行されるマイナンバー制度は、企業や事業者だけでなく、夜の世界で働く人たちも対応を迫られています。そこで夜の世界を専門に活動している一般社団法人GrowAsPeopleの角間惇一郎さんに、マイナンバー制度が夜の世界にどのような影響を与えるかを伺いました。夜の世界で働く人びとがマイナンバー制度に対して抱く「身バレ」と「税金」という不安についてお話いただいた前編。後編からは、夜の世界全体に与える影響についてお聞きしました。マイナンバー制度は、夜の世界にポジティブな変化をもたらすかもしれない……?

マイナンバー制度が夜の世界全体に及ぼす影響

―― 前編ではマイナンバー制度に対して夜の世界で働くキャストが抱えている不安についてお話いただきました。後編では、夜の世界全体に与える影響についてお話いただきたいと思います。キャストが主に抱えている身バレや税金に対する不安は、心配し過ぎなくていいというお話でしたが、それでもマイナンバー制度をきっかけに夜の世界を辞める女の子も少なからずいると思います。あるいは、マイナンバー制度から逃れるために違法化するお店も出てくるかもしれない。どういった変化が起きると思いますか?

角間 「なんとなく不安」と思っている女の子たちが、正確な情報にアクセス出来ずに「辞めた方が得策かもしれない」と考えて、辞めることはあると思います。そのときに、上手く次のキャリアを見つけられたり、辞めても今すぐ生活に困らない子たちは、それはそれでいいと思うんですが、大半の女の子たちはそうはいかないと思います。一度辞めたとしても、結局また夜の世界に戻ってくる。

現状でも、夜の世界一本で働いている女の子が突然業界を辞めて上手くいくケースってほとんどないんです。履歴書に職歴を書けないから風俗を辞めても就職出来ないという問題がある。風俗で思ったほど稼げなくて生活が苦しく、次のキャリアを探す余裕がないという女の子もいます。

―― 金銭的な事情など何らかの理由があって夜の世界に足を踏み入れることは想像出来ますが、働き出せば金銭的には潤うのかなと思っていました。風俗で働いていても生活が苦しい女の子たちも存在するんですね。

角間 そこには様々な問題が絡んできますが、生活が苦しくて風俗を始めたのに、結局大して稼げず生活は苦しいままだという女の子たちはいます。そういう子が、マイナンバー制度で税金を取られることを恐れるがあまりに、管理の行き届いていないお店や、よりアングラな業種に向かってしまうという懸念はあります。

本来そのような女の子たちは現状の社会保障の範囲で守られるべきなんです。それにそもそも所得が極端に少なければ、控除によってほとんど税金がとられなかったり、年金の免除申請が出来たりする。このことを女の子たちが知らないのは、風俗で働いていることを他の人に言えないがために孤独になって、正しい情報にアクセスできなくなってしまうからです。

―― 風俗にいることで、社会との断絶や孤独を生んでしまう。マイナンバー制度が夜の世界に対してポジティブな影響を与える側面はありますか?

角間 マイナンバー制度が始まれば、夜の世界の統計データが取りやすくなり、本当に必要な仕組みの設計の根拠として活かせるかもしれません。過去に比べれば夜の世界のデータは非常に取りやすくなりました。というのもほとんどのお店がウェブにサイトを出していて、情報が集まりやすくなっているんです。マイナンバー制度がそれをより促進させてくれる。

夜の世界のようなアンダーグラウンドなものは、奇抜なストーリーばかり取り上げられて、実態と異なる姿で理解されることがほとんどです。でもデータがあれば、どのくらいの人が働いているのか、平均収入はどのくらいなのかなどが、俯瞰的にわかるようになります。そこから問題の本質を見抜いて、冷静に解決方法を探ることが出来る。マイナンバー制度はそういう意味でポジティブな変化を生む可能性がありますね。

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