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トンデモ・ウオッチングの殿堂イベントが熱~い視線を注ぐ、スピ系料理本

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トンデモ本認定されました! Amazonより

 ぶっとんだお説が楽める〈トンデモ本〉は当連載でも度々ご紹介してきましたが、そもそもトンデモとは〈著者の意図とは違う視点から楽しむことができる〉という、私的団体と学会〉が広めた概念です。そんなトンデモウォッチングの殿堂であると学会のイベント〈トンデモ本大賞〉が、先月7月25日にロフトプラスワンで開催!

 栄えある(?)今年の大賞には、オカルトである〈江戸しぐさ〉を扱ったことから、道徳教育用教材『私たちの道徳 小学五・六年生』(廣済堂あかつき株式会社)が選ばれました。まさかの文部科学省発行の物件が……! とネットを賑わしたようですが、ノミネート作品紹介とは別部門として行われたエクストラ発表にも、見逃せない物件がありました。それはなんと、女性向けのお料理本。

「台所は自分の心を映す鏡。ごはんと真剣に向き合えば、すべてのことがうまくいく」ーーそんな料理哲学を著したのは、『運を呼び込む 神様ごはん』(サンクチュアリ出版)です。

 著者は、「食べると運がよくなる」と評判を呼ぶ料理店・ゆにわの店長ちこ氏。ネットにアップされている著書からのメッセージ動画によると、ゆにわのごはんを食べるとこんな現象が起こったとか。

「笑いが止まらない、みたいなことがあったりとか」
「過去の感情が癒えて涙を流されたり」

 そんなお客さんからの反応があったと語られています。そのごはん、怪しいものでも入ってんじゃあ……というのは冗談ですが、そんなにすごいごはんが作れるゆにわの厨房ルールとは一体? まずはイベントで行われた、と学会会員・本郷ゆき緒さんのエクストラ発表から、〈神様ごはん〉の世界に触れてみましょう。

ツッコミどころだからけの開運キッチン

本郷この本、言っていることはとても単純です。台所を神社に見立てて神聖な場所にして、そんないい場所でごはんを作ると、ものごとが上手くいくんだよと。台所に神様をお招きすることは難しいことじゃありません。身を清め、整理整頓する、たったこれだけでいいんですよと。しかしこうやって引き込んでおいて、いろいろいろいろ言うんですね」

●トンデモポイントその1 プロ野球並みに過酷な厨房

 同書では〈ごはんに運を呼び込むために〉というお題で【38】の心構えが書いてあり、その【11】では〈道具を生き物として扱ってみましょう〉という提案が登場。道具に名前をつけてかわいがると、道具もそれに応えてくれるからいい料理ができる。そしてみんな幸せ! というお説です。たしかに愛着を持って道具を使うと、気持ちも暮らしも豊かになりそうですよね。

 ところが……、ああそうでした。【ごはんに運を呼び込むために5】として「道具を入れ替えてみる」という指南があったハズ。空間のご機嫌を損ねないよう、常に道具を循環させるのだとか。

本郷「ひとつ入ったら、ひとつ出ていかせる。プロ野球選手のリストラ並みに過酷な厨房です! つまりここの店の厨房では、名前のつけられない道具は使い捨て……と。なかなか過酷な格差社会です」

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山田ノジル

自然派、エコ、オーガニック、ホリスティック、○○セラピー、お話会。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のないトンデモ健康法をウォッチング中。当サイトmessyの連載「スピリチュアル百鬼夜行」を元にした書籍を、来春発行予定。

twitter:@YamadaNojiru

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