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檄文! 新世界の男たちよ、「据え膳食わぬは男の恥」という概念を捨てよ

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男は「口説き方」以外の恋愛作法を知らない?

 しかしながら。若年層向けの女性ファッション誌には「好きじゃない男性からの誘いを後腐れなく断る方法」のような知見が充実しているのに、男性ファッション誌には相変わらずモテるための方法、男が女をオトすためのメソッドしか載っていない。男のモテ観は、いまだ旧世界の概念をひきずりまくっているのです。だからこそ、こういう戸惑いが生まれてくる。

■ 女性からの食事の誘いの断り方を考えてくれ

 このまとめでは「バイト先の年上の女性に誘われているが断り方が全然わからない」という男子が、人間関係を悪くしないで、上手いこと状況を切り抜ける方法を求めています。これに対して提案されているのが「バイトを辞める」、「用事があるんで、と言う」、「彼女がいるんで、と嘘をつく」と実に貧困な案ばかり。

 こんなとき、女性ファッション誌だったら「一度だけ食事に行って『今日は楽しかったですね。今度はみんなで行きましょうね!』とメールする」ぐらいの「相手が嫌な気持ちにならない付き合い方」の案がでそうなんですけどね……。

 男性たちは、「女を口説く」ことについて熱心に学ばされていますが、それ以外のやり方で女性と良好なコミュニケーションをとることに関しては、まったくノータッチのまま生きています。そして相手がたとえ女優やアイドルといった“縁遠い職業”に就いている場合でも、その女性に対して「ヤレるorヤレない」の判断を下そうとする習慣を身に着けてしまっている。これでは一般の女性が「性的目線でばっかり見られて嫌だ」と不快感を表明するのも当たり前ですが、男性としても「据え膳食わぬは男の恥」と同様、「良かれと思って」、女性の性的魅力を品評しているのかもしれません。21世紀になって15年が経ちますが、男女のすれ違いはまだまだ続きそうです。

※ 余談ですが、英語では「据え膳食わぬは男の恥」と同じような言い回しとして”It is time to set in when the oven comes to the dough. ”(かまどの方がパン生地の所へやってきたら、パン生地をかまどに入れてやる時だ)という表現があるようです。これは男女の性器の形状を秘めやかに暗示しており、思わず半笑いになってしまいます。

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カエターノ・武野・コインブラ

80年代生まれ。福島県出身のライター。

@CaetanoTCoimbra

だから、「断ること」を覚えなさい! (PHP文庫)