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中学生の深夜徘徊は「管理」で防げるか? 寝屋川・中学生殺害事件における筋違いな“親の責任”論

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Photo by Dimitris from Flickr

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 大阪府高槻市の駐車場で8月13日、寝屋川市に住む中学生、平田奈津美さん(13=当時)の遺体が見つかった事件は最悪の結末を迎えた。大阪府警は21日に平田さんに対する死体遺棄容疑で寝屋川市に住む山田浩二容疑者(45)を逮捕したが、この同日、平田さんと一緒に行動していた同級生の星野凌斗(りょうと)さん(13=同)の遺体が同府柏原市で発見された。

 ふたりは13日の午前1時から5時ごろまでに、商店街を歩いている姿が防犯カメラに確認されており、その後、平田さんは遺体で見つかり、星野さんは行方不明となっていた。

 逮捕された山田容疑者はふたりと面識がなく、また過去にも中学二年生の男の子を車に監禁し、現金などを奪うという強盗、逮捕監禁事件を起こし服役の過去があったこと、事件発生の2日前に東京・秋葉原で職務質問を受け、車内からスタンガンなどが発見されていたことなど、続報が次々と出てきている状況だが、等の山田容疑者は現在「車に連れ込んだのは私だが、同乗者が殴り、知らないうちに死んでいた。同乗者が遺体を遺棄した」などとし、容疑を否認している。捜査はまだ継続中だ。

 この件に絡み、山田容疑者が逮捕される直前、元横浜市長の中田宏氏がブログに「皆で考えましょう。子供の深夜外出、親の責任」と題する記事をアップ。議論を呼んでいる。

深夜に家を飛び出した経験はありませんか

 記事で中田氏は「テレビコメントなどでは遠慮されてなかなか発言は無いようですが、中学生などまだまだ小さな子供が真夜中に出歩くということについて、家庭も社会もそして地域も考える必要があると思います」と訴え「横浜市長を務めていた平成15年に”夜間外出禁止令”を提案したことがある」と明かしている。「私たちはこの事件も教訓に、まだまだ保護が必要な未成年を抱えている家庭、また地域のおいて、子供に外を出歩く時間でない時はしっかりとそう伝えていくことが必要だと思います」と記した。もちろん「この事件で悲惨な状況に巻き込まれている保護者を責めるものではありません」との注意書きも忘れてはいないのだが、この流れで今回の被害者たちの保護者らに注目が集まるのは必然だった。

 SNSでは「親が親なら子どもも子ども」「親の責任は重い」などをはじめとして、今回の事件は被害児童の保護者らに罪があるという趣旨のコメントが非常に目立つうえ、ひとりの保護者は一時期、一部で犯人扱いされるという事態も発生していた。

 だが今回の事件と“深夜に外出する未成年に対する親の責任”は切り離して考えるべきであろう。当然ながら、誰が悪いかと言われればもちろん、平田さんと星野さんを殺害し遺棄した犯人であることは間違いない。山田容疑者が逮捕される前、ふたりの保護者についての報道もあり、平田さんが母親と不仲であること、ふたりが家出をしていたことが報じられていた。だが、保護者がふたりを殺害したのではない。もしこの日、ふたりが犯人と出会わなければ? いつか生きた状態で保護者の元に帰ってきたはずだ。

 深夜に未成年を徘徊させることを許した家族を責める声が多いが、では未成年の時期、深夜に外出した事がない、という者はどの程度存在するのだろうか。地元の祭り、親との喧嘩、ライブ帰りに友達と盛り上がる、部活動や体育祭文化祭などの打ち上げ、親が急病になったため近隣宅に助けを求めに行く……など様々な事情で、深夜に外出したことのある者はいるのではないだろうか。

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