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非正規・中小を無視した女性活躍推進法可決!実効性が疑われるからこそ重要なこと

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Photo by Elizabeth Ellis from Flickr

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 8月28日に女性活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)が、自民、民主、公明各党の賛成多数で可決され、成立しました。2016年4月に公布され、施行から10年間の時限立法となっています。

 この法律では、従業員301人以上の企業と自治体に、女性登用の数値目標などを記した行動計画を策定し、公表することを義務付けています。数値目標は、法律で定められたものではなく、各企業が決めることとなっており、目標を達成できなかった場合の罰則規定もありません(虚位の報告などについては罰則あり)。「目標達成が容易な数値を設定する可能性がある」「罰則事項がないため、努力目標にすぎない」という2点から、法律の実効性が疑われています。

 また2016年4月に公布されるということは、企業は残り7カ月で行動計画を策定しなくてはならないことになります。計画の策定までに時間がないのはもちろん、女性を積極的に登用してこなかった企業には、産休や育休などの制度が十分に整えられていない可能性があります(産休や育休は女性に限らず男性にも関係のある制度ですが)。現状の「働きやすさ」と不相応な数値目標を掲げられれば、その企業で働き始めた女性が「働きにくさ」を抱え、結果的に仕事を辞めることや、結婚や出産を諦めてしまうことになってしまうかもしれません。あるいは、「制度が整っていないから」という口実で、値目標を下げられてしまえば、実効性の乏しい法律で終止することになるでしょう。

 大きな問題として、働く女性の6割近くが派遣労働やパート・アルバイトなどの非正規労働者であるにもかかわらず、この法律では、非正規労働者への対応は一切決められていません。また実施後に、非正規労働者が正規雇用にうつる可能性はあるものの、職種によっては非正規労働者がすぐに大手企業に勤められるとは考えにくい。中小企業の対応こそが肝心だと思われるのですが、本法律では、従業員300人以下の企業については「行動計画を定め、提出することを努めなければならない」とあり、提出は義務付けられていません。

 改善できる余地はまだあります。「賃金格差の是正」についても今回の法律には盛り込まれていません。「男女共同参画白書(平成27年度)」によれば、女性一般労働者は男性一般労働者の7割しか給与を得ていない。古くから指摘されている男女の賃金格差は、今回も先送りされてしまったようです。

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