さらに坂上は、加護の思慮の浅さをずばり指摘。
坂上「生真面目っていうかさ、信用してる人のアドバイスとか全部聞いちゃうんでしょ。もらったアドバイスを、自分で咀嚼してちゃんと考えるとかしないの?」
これは、この日もっとも加護の「素直な性格」を精確に突いた指摘だろう。失礼は承知のうえだが、加護亜依という27歳の女性は、良くない意味で幼すぎる。疑いなく他人の言葉を受け入れてしまいやすい浅はかさと、自力で道を開拓しない他力本願な性質を兼ね備えた女性に見えるのだ。これでは「私は悪くないのに」と思いながら不幸を招き続けてしまう。
この坂上の言葉に、加護は「(素直にアドバイスを受け入れないと)嫌われちゃうかも、嫌われたくないなって思っちゃう」と応えたのだった。ダウンタウン、坂上ともに「あぁ~……」と納得のため息。それ以上、この話を発展させることはなかった。
松本は加護に再三、「バカなんだから、まずバカを自覚しろ」と檄を飛ばしていた。だが加護は「私は本当はバカじゃない。キャラでバカを演じてただけだ」とでも言わんばかりに、バカ呼ばわりを拒む。
松本「でもお芝居できないでしょう?」
加護「お芝居できるんですよ」
松本「そういうことを言うところがバカや。できないんやから。バカなのはしょうがないんだから、バカなのを自覚しろ」
加護「でも英語はちょっと出来るんですよ」
松本「だからそういうこと言うなや。英語喋れるやつくらい腐るほどいるわ」
ここまで厳しく指摘されても、加護は「解せない……」と言いたげな表情のままで、「でも」を繰り返す。さらに坂上が、加護の鼻頭にデキモノ(加護いわく、めんちょ)が出来ていることを指摘すると松本は「運がないわ。バカなうえに運もない」とバッサリ。ここで加護の登場シーンは終わった。
加護亜依は最後に、「ダークなイメージを撤回したい。どうしたらいいか?」とも相談したが、おそらく短期間でダーティイメージを払拭するのは無理だろう。別にタバコやデキ婚や離婚くらいなら広末涼子だって同じようなものだ(そういえば顔も似ている)。しかし、加護の場合は暴力団筋のダークイメージが強い。暴力団関係者から親切にされたとき、それを疑ったり毅然と断ったりできず、すんなり「ありがとうございます」と受け入れてしまいそうな彼女の危うさは、芸能界において「使いづらい」タレントでしかない。今さらダーティイメージの一切ついていない女優や歌手を目指すのでなく、黒い印象を見るものに与えながらも、その「ちょっと悪そうで天然バカ」な雰囲気を活かして活躍する50~60代の先輩女性タレントを本人がイメージできれば、少しは方向性が見えるのではないか。
(篠田ロック)