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性犯罪被害に遭ったとき、どう行動するか

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Photo by Matt P. from Flickr

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 「『これしってる!』が君を強制猥褻被害から守る ~とあるメスゴリラの刑事訴訟実学~」というtogetterの記事が長らく話題になっています。

 これは、7月末から定期的に更新されている、強制猥褻被害に遭った女子大生による事件発生から起訴までの経緯が事細かにまとめられた記事です。実際に被害に遭ってしまったとき、この記事を読んだことがあるとないとでは、対応方法が全然違ってくるかもしれない。そう思わせるほど、被害から起訴までをつぶさにまとめられた秀逸な記事でした。まずは概要をご紹介しましょう。

 被害に遭った女子大生は某日22:30頃、帰宅途中に、30m程の間隔で街灯のある比較的明るい住宅街で犯人に突然抱きつかれ、暗がりへと連れ込まれそうになります。犯人の指に噛み付いて抵抗している間に、運よく通行人が現れ犯人は逃げていきました。その後、1分ほど躊躇った後に彼女は警察へ110番通報をします。

 彼女が咄嗟にこのような行動を取れたのは、以前messyでもまとめた、アイドルのはのはなよさんの「強制猥褻被害を報告するツイート」を見たことが大きかったと呟いています。ただし彼女は、はのはなよさんのツイートを見た当時は、「女の子らしい要素がない自分には、関係ない事件だ」と思っていたそうです。しかし性暴力は他人事ではなかった。だからこそ、自分と同じように「私は被害に遭わないだろう」と楽観視する人が多くいるだろうと想定して、ことの経緯を発信する決意をされたのでしょう。

 110番通報後、警官が辿りつくまでに「犯人の特徴」を電話で聞かれ、警官到着後は、被害者と目撃者への事情聴取と、周囲に証言に似た人物がいないかの捜索が始まりました。「初動対応」が迅速であったおかげか、10分ほどで被疑者が確保されたそうです。通報が遅れれば遅れるほど、犯人が現場から遠ざかる可能性がありますし、強襲された被害者が犯人をはっきりと目撃できている場合は少ないでしょうから、時間が経てばそれだけ記憶は薄れてしまう。「初動対応」を迅速にするため、早々に警察に通報することが、事件解決に繋がる重要なポイントといえそうです。

 とはいえ、もちろん「必ず通報しなくてはいけない」という義務ではありません。被害直後はショックのあまり冷静な判断ができないこともあるでしょう。また「性被害」は、被害を報告することで、好奇の目に晒されてしまうのではないかなどと不安になるような犯罪です。そのため通報や被害届の提出を躊躇う人も少なくありません。そんなときは、家に帰って落ち着いた後に、性暴力被害者を支援する団体や、あるいは警察の「性犯罪被害110番」といった電話相談窓口に相談をされるとよいかもしれません。いずれも被害者の意思にかかわらず勝手に通報するということはないそうです。

 さて、被害届と供述調書を警察で作成し、供述調書を元に人形を使った現場再現などをする間に彼女は弁護士から「加害者はたいへん反省している」という示談交渉を受けます。しかし「これを受ければ犯罪がなかったことになる」と考えた彼女は示談を拒否。ちなみに先方から提示された額は30万円だったそうですが、「夜道が怖い、酒を飲んだ男が怖い、視線が怖い、加害者と同じような服を着た人間が怖い、一生物のトラウマを植え付けたのだから、こ れ か ら の 全 収 入 全 部 私 に 寄 越 せ 。」と彼女はツイートをしていました。額で決まるというものではないと思いますが、それにしても30万円はあまりにも安すぎるように感じます。なお、ベリーベスト法律事務所のサイトによれば、強制猥褻事件の示談金の相場は30~100万円とのことですから、彼女は最低額を提示されたということになります。

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