――メディア発のゲイのイメージを押し付けられていると。
A「あと、ゲイっていうとなぜかトーク力や面白さを求められて、『ゲイにまつわるおもしろエピソードないの?』と聞かれたり、『ゲイなのになんか大人しいね』って言われたこともあります。これもテレビに出ているオネエタレントや女装家さんのイメージが強いせいかもしれませんが、ゲイだって口数少ないヤツとか、何の面白みもないヤツもいます(笑)。男も女も、いろんな性格の人がいるっていうのはみんな知ってることなのに、LGBTだと途端にそこから外されちゃうんですよね」
――「ゲイならこういう性格に決まってる」という考え方は、浅はかですし不自然すぎますね。
A「カミングアウトする前は『言った途端、みんなに避けられたらどうしよう』と思っていたし、受け入れてくれたことは本当に嬉しいんですけど、『カミングアウトしてるんだからいじっても問題ない』って思ってる人が多いことは不本意です。腫れ物に触るような扱いをされるよりは、自分が演技してでもイジられてたほうが楽かなとも思っちゃいますけど、やっぱり腑に落ちない部分はありますね」
男でも女でも、セクシャルマイノリティーでも、個々人の性格が違うのは当然です。誰しも何かに対して自らの経験だけを頼りにしたステレオタイプな見方をしてしまうことはありますし、自分の中での価値観を持つこと自体は悪くはありません。ただ、それを相手に押し付けるのはあってはならないこと。Aさんがビッチを演じることなく過ごせる日が早く訪れてほしいものです。
(Lollipop-Rumiko)
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