連載

仙人男子を求める『GINGER』自称メリハリOL、「頑張らない女子」宣言のイタさ

【この記事のキーワード】
GINGER

(『GINGER 2013年9月号』幻冬舎)

 ゲリラ豪雨がすっかり夏の風物詩として定着しており、日本の熱帯化を肌感覚で理解できる今日この頃、「子どもの頃、こんなに猛烈な雨が降ってたっけ……」と思っている方も多いかもしれません。最近は「ゲリラ豪雨なう!」とSNSですぐさま実況中継されますから、もしかして実際は増えていないのにしょっちゅうゲリラ豪雨が発生しているように思い込んでいるだけなのでは……? と疑問に思い調べてみると気象庁のサイトで統計データが公開されていました。

 気象庁が全国に配置されたアメダスの観測データを分析したところ、1時間降雨量50mm以上の「非常に激しい雨」(傘がまったく役に立たないほど強い雨)は、1976年から2012年にかけて明らかな増加傾向にあり、10年あたり21.9回増加しているのだそうです。こういう結果をみるとすぐさま地球温暖化の影響を疑ってしまいますが(現時点ではそのあたりの因果関係はよくわかっていません)、夏という季節の厄介さが増えていっているのは間違いないでしょう。

 まして若い女性におかれましてはゲリラ豪雨に遭遇してズブ濡れになった挙げ句、下着が透けてしまったり、海外のセクシーな女性がホットパンツにTシャツで洗車しているピンナップ写真のごとく衣服がピタリと肌に張り付いてフェティッシュな興奮を煽り、無遠慮なオッサンの視線で上から下まで舐め回されてしまいますから大変です。フェティシズム大国アメリカでは、「Wet T-shirt contest」(つまりは『スケスケ濡れTシャツコンテスト』)なるものも存在し、健康的にフェティシズムが嗜まれているところに好感さえ持てますが、日本人がそこまでおおらかになるには、平均気温があと5度ほど上昇し、モラルに敏感な方々が全員「もう何もかもどうでもいいや」と暑さにうなだれる日を待つしかありません。

 しかし、これだけ暑いととにかく心が快適を求めてしまいがちです。営業仕事で外回り中に、肌を刺すような日差しのなかを歩いていると「ああ、もう木陰に置いたビーチチェアに座って、ラジオから流れるボッサ・ノーヴァを聴きながら、アイス・コーヒーを飲んで過ごしたい」とすべてを投げ捨てたくなるのもしばしばです。そんな気持ちはアラサー世代の大人女子(!)たちも一緒なのでしょう。『GINGER 9月号』(幻冬社)では「働くいい女の『心地いい生活』白書 2013年夏版」という特集が組まれています。「世の中は、アベノミクスとかバブル再来なんて浮かれているけど、今、私たちに必要なのは後悔しないための選択眼と、自分らしくいるためのブレないメンタル作り」……以上は、特集のリード文からの引用です。仕事・結婚・出産などいろいろ悩みの多いアラサー女性が、自分を肯定的に捉えるため、まずは今の生活の中にある「心地よさ」を見出しましょう、といったところでしょうか。

仕事も趣味も(ユル~く)楽しんでます!

 まず、GINGERが取り上げているのは「メリハリOL」。ここでは「ウィークデイは仕事をバリバリこなすけれど、オフはオーガニックデリ、ヨガ、公園ピクニックなどのナチュラル系の趣味で心を解放♪」する4人の女性たちのレポートが掲載されています。彼女たちのタイムテーブルをみると、4人中3人が実働9時間(昼休憩1時間控除)で平日の退社後にもヨガに通うなど、休日だけじゃなく普段からメリハリが効いていて余裕がある感じ。これを読んでて「将来は南の島でヨガのインストラクターやりたいなあ~」と寝言を言ってる同僚女性が、自分の仕事をわたしに投げつけまくった挙げ句、我関せずといった具合でヨガ教室に通っている、という実体験を思い出してしまい、思わず呪詛の言葉が漏れてしまいました。

1 2

カエターノ・武野・コインブラ

80年代生まれ。福島県出身のライター。

@CaetanoTCoimbra

[PR]
[PR]

messy新着記事一覧へ

GINGER (ジンジャー) 2013年 09月号 雑誌