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女性必読! 能なしでも自信さえあれば評価される社会では、自信も才能の一部――『なぜ女は男のように自信をもてないのか』

【この記事のキーワード】
『なぜ女は男のように自信をもてないのか』(CCCメディアハウス)

『なぜ女は男のように自信をもてないのか』(CCCメディアハウス)

「自信がない」
「批判されることが怖い」
「失敗したくない」

 4月、私がマネージャーとなった直後に参加した女性向け研修で、他の参加者の方達が書き出した、リーダーとしての不安。自分の思いと全く同じで驚きました。そうか、自信がないのは私だけでなかったのか。というか、女性は自信がない傾向にあるのか……?

 そんな疑問に答えたのが『なぜ女は男のように自信をもてないのか』(クレア・シップマン、キャティー・ケイ著 田坂苑子・訳)。一見、流行の男女比較&自己啓発本のようですが、英語版のタイトルは、『Confidence Code(自信の暗号)』。社会学、心理学、脳神経学、遺伝子学などあらゆる分野から女性と自信の関係について調べた、極めてロジカルな一冊です 。

  著者はアメリカABCとイギリスBBCのトップジャーナリストの女性二人で、アメリカでは2014年に発売。「女性の職場での活躍を阻むものは、女性自身の“自信”のなさである。自信(confidence)は、能力(competence)と同じくらい重要だ」というサブタイトル付きで、要約がウェブに紹介されるやいなや、賛否両論が寄せられ、大論争が勃発。ニューヨークタイムズ紙のベストセラーに選ばれるなど、一種の社会現象となりました。

 私も、発売直後に英語版を購入し、「自分のことが書いてある!」とハイライトだらけにしながら読了。「日本語版発売の予定がないなら私が翻訳したい」と版権の状況を調べたほど影響を受けた本で、ついに日本語版が出版されて嬉しい限りです。シェリル・サンドバーグ著の『Lean In』が出版された際、友人の上司が100冊自腹で買って会社で配ったというびっくり話を聞きましたが、私も、自信がないと悩む人に配って歩きたいくらい、この本はおすすめです。

女性は男性に比べて自信がなく、それが、低い評価につながる

 まずこの本で紹介される衝撃的な事実は、ドイツの首相のアンゲラ・メルケル、IMF総裁のクリスティーヌ・ラガルド、Facebook COOのシェリル・サンドバーグなど、各界のトップを極めた女性たちも、「自信がない」ということ。

 さらに、女性の自信不足を裏付けるデータが多数紹介されます。アメリカのカリフォルニア大学で行われた調査では、実際の結果はほぼ同じであるにも関わらず、様々なテストに対して、男性は常に自分の能力とそれに伴う成果を過大評価したのに対し、女性はいつも過小評価するという結果も出ています。

 また、イギリスの調査期間が行った「自分の仕事に対してどれだけ自信があるか」という質問に、「自分のキャリアとパフォーマンスに対して自己不信を抱いている」と答えた女性が半数にも上る一方、男性は三分の一以下。

 特に驚きで、またアメリカで大きな議論を生んだ点は、社会では、能力よりも自信が重視されることが、最新の研究でわかってきているということ。例えば、能力の有無に関わらず自信がある人は、非言語、言語ともに自信がある振る舞いをします。それが伝わることで、周囲からは敬意を払われ、ミーティングでは議論を仕切るポジションになり、会議の結論に影響を与え、結果、自分より成績の良い同僚を差し置いて昇進するなど、高い評価を得るのです。自信のある人は、それだけですごい好循環を生むということなのですね。

 能力がなくても自信があれば評価されるなんて、そんなのおかしい、と思われるかもしれませんが、著者はこう指摘します。

「女性たちは何十年も、仕事という名のジャングルにおいて重要な掟を勘違いしてきた。才能があるというのは、能力があるということではなかった。そして、自信は才能の一部だったのだ」

 自信は才能の一部であり、能力があっても自信がないと評価されないなんて、「謙虚であれ」と育てられた日本人(特に「控えめに、男の三歩後ろを歩きましょう」なんて教えられてきた女性)には衝撃的な事実ですが、グッドニュースとして受け止めることもできます。なぜなら、自信は、増やしていくことができるからです。

自信を育むために必要なのは「早期の失敗」? とにかく行動あるべし

 では、自信をつけるために、どうすれば良いのか? この本でまず勧められるのは、「早めに失敗すること」です。

 「失敗なんて最も避けたいものだ」と多くの読者は思われるかもしれませんが、様々なプロジェクトの早い段階で失敗を経験すると、失うものが少なく調整が可能な一方、学ぶことは多い。また、失敗することに慣れれば、それでいちいち自分を責めることもなくなり、リスクを前にした時の、行動がとりやすくなります。その結果、行動する回数が増え、新しいスキルを習得したり、挑戦に成功する可能性も高くなり、自信がつくというわけです。

 この本には他にも、考えすぎをやめる、自動ネガティブ思考をブロックするなど、科学的な裏付けがある「自信を増やす行動」が、たくさん紹介されています。自分に自信が持てないと悩む人には、ぜひ手に取っていただきたい! そして、自信がない人が多いことで知られるこの国に、自信をもって、楽しく生きられる人が増えますように。(私も含めて……)

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コーエン藍

日本やアメリカ、ヨーロッパの大学でジェンダーを学ぶ。 現在は外資系企業でマネージャーとして勤務する30代日本人女性。

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