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家族信仰の弊害を無視した憲法24条改悪「家族は互いに助け合わなければならない」

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自民党「日本国憲法改正草案」

自民党「日本国憲法改正草案」

 今月19日に成立した安保関連法が本日30日に公布されました。安保関連法案は公布から6カ月以内に施行されることになっており、来年3月までに施行日が決められます。2016年7月には参議院選挙が控えています。それまでに安保関連法案の評価および選挙後に着手すると予想される憲法9条改正についても、早めに議論を重ねていく必要があるでしょう。

 しかし注視すべきは憲法9条の改正だけではありません。実は今、9条よりも優先的に改正されるのではないかと危惧されている憲法の条文があります。それが憲法第24条です。24条の改正については、以前より文化人類学・フェミニズムを専門としている山口智美さんが警鐘を鳴らしていましたが、先日「NAVERまとめ」が作成されていたので、この問題についてご存知ない方はまずこちらを一読すると理解が捗ります。

安保の次は「家族」! 自民党、右派が目論む24条改悪/「家族尊重条項」新設

現政権の価値観は戦中と同じ?

 さて今月28日、歌手の福山雅治さんと女優の吹石一恵さんが入籍されたことが報道されました。翌日には、菅義偉官房長官がお二人の入籍について『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)出演時に、「(福山の)結婚を機に、やはりママさんたちが、一緒に子供を産みたいとか、そういう形で国家に貢献してくれればいいなと思っています。たくさん産んでください」と発言し、問題視されています。「福山雅治氏の結婚で菅義偉官房長官『子供産んで、国家に貢献して』

 その後、菅官房長官は記者会見で「結婚や出産が個人の自由であることは当然だ。子供を産みやすく、育てやすい社会を作るのが政府の役割だと思っている」と説明。「大変人気が高いビッグカップルなので、世の中が明るくなる。皆さんが幸せな気分になればいいなと思っている中での発言だった」と釈明しているのですが……。「菅官房長官:『出産で国家に貢献を』

 言うまでもなく、結婚/出産をするか否かは個人の自由です。また結婚/出産を希望しているにもかかわらず、それらができない背景に社会的な要因があるのであれば、それを解消するのが政府の仕事でしょう。ですから「産みやすく、育てやすい社会を作るのが政府の役割」なのは大前提です。「芸能人の結婚」による「機運」で結婚/出産が急増するわけもありません。

 菅官房長官の発言はタイミングからしても非常に軽卒なもので、批判を浴びるのも当然のことでした。安保関連法が成立したばかりの今、「(出産で)国家に貢献」という発言から、戦中の日本の「産めよ増やせよ」をスローガンとした人口政策と同種の匂いを感じてしまうのは自然なことだと思います。最近話題となった、改変されたグラフを使って「妊娠しやすさ」を示した副教材を高校生に配布したことも、このような価値観に通底しているとしか思えません。

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