いまさらながら、K-POP人気は下降線をたどる一方。K-POPアイドルがオリコンチャートの上位に名を連ねてもアテにはなりません。ひとりに何枚も買わせればいいわけですから(K-POPに限りませんけどね)。
で、ライブ会場に行って愕然とするのです。結局、ファンなんてそんなにいないのねって。そこにはファンの実数に見合わないキャパシティのハコが用意され、空席も目立ちます。でも、そのままじゃ体裁が悪い……そんな理由からある作戦が発動されるのです。題して、チビッコde動員大作戦です。
9月のある日曜日、横浜アリーナで売れっ子アイドルがそろう大型K-POPイベントが開催されました。頭数はそろったものの、それぞれのアイドルが歌うのは3~4曲。雑食派のファンにはいろいろ見れてお徳ですが、お目当てのアイドルがいるファンにとってはお値段が約1万円からとあって、なかなか手を出しづらかったようです。だって、みんな単独コンサートをやってるし、そっちのほうが充実してるとなれば、無理して行くこともありません。トリを努めたアイドルバンド、CNBLUEのファンの方がこう明かします。
「彼らは同じ会場で、もっとお安い値段で4月に単独コンサートをやったばかり。最初からわかっていましたが、単独ライブより高い値段で、わずか数曲って、物足りません。集客も苦労したんでしょう。スタンド席は空席が目立ちました。で、私が閉口したのが、前座に出てきたチビッコやらシロウトさんやらのダンサーです。おそろいのシャツを着たアマチュアダンサーがアイドルのダンスをみんなで真似るって趣旨らしいのですが、何の説明もないので、いったい何なのかよくわからず……。加えて、この会場はアクセスが悪く、帰りも心配だから、『マネっこはいいから、早く本物出して』って最初からイライラしました」
このファンが憤慨する気持ちもわかります。でも、同時に主催者の気持ちもわかる気がするんです。チビッコをたくさん出せば、なんとなく未来志向も生まれるし、親御さんやご家族も来ますよね。多少なりとも集客にプラスになる……そんな計算が透けて見えるのです。
この合同イベントには、黒の雨傘パフォーマンスで話題の男性5人組NU’ESTも参加。
彼らはその10日後に舞浜で単独ライブを行いました。
「彼らは20名くらいのチビッコと一緒にパフォーマンスをしました。〈大勢の子どもと明日に向けた感動のパフォーマンス〉ってことでしょうが、セクシーな女性ダンサーと絡むよりはよかったかも、という程度です。ただ、純粋なファンは約半分で、会場の後ろ半分は子どもの父兄と思しき人か空席でしたね」(NU’ESTファン)
親御さんはペンライトを持ってないからすぐわかるのだとか。
「前の方が盛り上がっても、後ろは子どもの〈晴れの舞台〉を見にきた発表会的雰囲気なので、熱気も下がるんです。本音を言うなら、半分くらいのキャパの会場でファンだけで盛り上がりたい! そもそも私は、子どもっていうだけでよしとする風潮が大嫌い。欽ちゃんの仮装大賞でも子どもが大勢でやるやつがありますよね。それが結構、賞をとったりするけど、あれも視聴者受けを狙ってるだけでしょう? それより、少ない人数で、頭使ってやるやつのほうが『これって、どういうカラクリ?』って興味深い。子どもだから感動を与えられる、と思ったら大間違いなんです」(同ファン)
定番の掛け声のかけ方も知らない親御さんは要らないから、ファンだけで熱く盛り上がりたい!! という気持ち、よ~くわかります。その日の演出と振り付けを担当したダンサーのtwitterを拝見すると、K-POPアイドルの振り付けをよくやっているようで、そのたびに子どもを起用しています。私的には、チビッコを使った、観客動員の水増しや感動の押し売りは、どちらもお断りなんですけどね。
今週の当番=佐々木薫
子どものいないアラフォーK-POPファン。本文で紹介したマネっこダンスはカバーダンスというんだとか。