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謝りすぎる女性たちへ。女性を解放するPanteneとDoveの新しい広告アプローチ

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 仕事をしているとたまに訪れる、「私、悪くないのになんで謝ってるんだろう…」と思う瞬間。「本当にすみませーん、よろしくお願いします」と笑顔で言いながら、心の中ではどっと疲れている。

 一度でもそんな経験をしたことがある女性におすすめなのが、ヘアケアブランドのPanteneの「謝る必要のない場面で、謝るのはやめよう」がテーマの動画です。

 

 まず前半では、様々な場面で謝る女性が紹介されます。

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▲会議の席で、「ごめんなさい、ばかな質問していいかしら」

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▲職場で同僚に、「おはようございます。すみません、時間ありますか」

 カップルが会話しているときに、男女が同時に話し始めて、女性が、「ごめん、先にどうぞ」。会議の席で、一人参加者がテーブルに増えることで、女性たちが詰めながら、「すみません、すみません、すみません」。

 全然自分達が悪くないシーンで謝り続ける女性達。あるあるな動画の連続にくすっとしつつ、確かに、女性たちって色々なシーンで謝りまくっているなあ、とはっとさせられたところで(実際、男性よりも女性の方が謝る回数が多いことは、データで証明されています)、「謝らないで、強く輝いて」というキャプションが入ります。そして後半では、前半と全く同じ場面で、謝らずに対応する女性たちが映し出されます。

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▲会議の席で、「質問があります。もとのアイディアに戻したらどうかしら?」堂々と発言する女性。

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▲「おはようございます、時間ありますか?」と同僚に笑顔ではっきり伝える女性。

 謝らず、譲歩しない彼女たちは、とても自信があるように見え、同じ人なのに、与える印象が全く異なることに驚きます。私も、仕事でついつい謝りすぎてしまうことがありますが、その結果、逆にプロとしての信頼感を失っていたのかも……と、気づかされました。

DoveやPanteneが行う、女性を勇気づけるキャンペーン

 Panteneがこういった女性を勇気づける広告キャンペーンを行う背景には、ライバルブランドのDoveが2004年から行っている、Dove Campaign for Real Beauty (本当の美しさのためのダブキャンペーン)があります。

 Doveのビジョンは、「女性にとって“美しさ”が不安要素になるのではなく、美しさと前向きな関係を築くことで、女性の自信の源になるような世界を築く」。このビジョンに基づき、10年以上、様々なキャンペーンを行っているのです。

 たとえば、Doveのバイラル動画の先駆けとなった「エボリューション」。普通の女性がヘアメイクや画像ソフトで加工され、美しく変貌していく様子を75秒で表現したものですが、この動画では、メディアに載る美しい女性が、いかに作られているかを伝え、「私たちの美の基準は、こうして歪んでいく」と、メディアや広告のあり方に問題提起をしています。

左半身が「広告用」の加工後ですね

(左半身が「広告用」の加工後ですね)

 この動画は1年間で1200万回も再生され、Doveの売上も昨年比で3.9%アップしたとのこと。

 作られた美のイメージを伝えるのではなく、女性を勇気づけるという新しい広告のアプローチ。「フェミニズムを、シャンプーやせっけんを売るために使うな」、という批判も聞かれますが、どうせ広告が存在するのならば、もっときれいに!というプレッシャーを与えるものよりは、勇気づけてくれるもの方が良い、と私は思います。世界中の伝え方のプロが集まって作られたキャンペーン動画たちは、面白く、そして勇気づけられたり考えさせられるものばかり。残念ながら、日本ではまだこういった広告が多く見られませんが、 DoveやPanteneのYoutubeチャンネルでは様々な動画が見られますので、ぜひ見てみてください。

DoveのYoutubeチャンネル
PanteneのYoutubeチャンネル

 女性に求められる美のスタンダードが世界でもひときわ高い日本。ずぼらな私は、東京で働いていると、「あー、アメリカにいた時は、メークもファッションも適当でよかったから楽だったなあ……」と思うことがよくあります(海外から日本に帰ってきて、美へのプレッシャーを最初に感じるのが、空港の本屋。海外の5倍ほどはあるのではという、ざーっと並ぶ女性誌を見るたびに、ああ、女性はきれいにしていなれけばならない国に帰ってきたんだなぁ、とプレッシャーを感じてなんだかどっと疲れます)。

  「より美しく!」というメディアや広告はもうお腹いっぱい。今後、日本でもより高い美の基準を追求するだけではなく、女性を勇気づけてくれるキャンペーンが増えていけば良いな、と思います。

backno.

コーエン藍

日本やアメリカ、ヨーロッパの大学でジェンダーを学ぶ。 現在は外資系企業でマネージャーとして勤務する30代日本人女性。

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