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どこまで「家族」が好きなんだ? 三世代同居で「所得税・相続税の優遇案」

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Photo by Robbert van der Steeg from Flickr

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 第三次安部改造内閣の国土交通省に着任した石井啓一議員(公明党)は、「安倍総理大臣からは、希望出生率1.8の実現を目指し大家族で支え合うことを支援するため祖父母・親・子どもの三世代が同居したり近くに住んだりすることを促進するような住宅政策を検討・実施するよう指示があった」と発言をしています。

 これは10月9日の各社報道インタビューで行われたものです。詳しくは「三世代同居の住宅政策まで…執拗に「家族」を推す安倍内閣」で書いたのでご参照下さい。

 この発言から一カ月も経たない、今月25日、この「三世代同居の住宅政策」の具体的な方向性が見えてきました。先週書いた「親学」の続きは次週以降にまわすとして、今週はこのニュースを取り上げたいと思います。

少子化対策に成功したフランスの同居率はたったの11.4%

 産経新聞によれば、今回の住宅政策の内容は以下のようになっています。

「親世代との同居を目的とした改修工事の費用について、所得税や相続税を軽減する方向で検討を始めた。世代間の助け合いで子育て負担を緩和、出生率低下に歯止めをかけるのが狙いで、国土交通省の有識者会議などでも議論される見通しだ」(3世代同居で所得税など優遇 子育て支援で政府検討

 詳しくは後でみますが、要約すれば「親世代と同居するために改修を行った場合、所得税や相続税を軽減する」という政策のようです。詳細は「三世代同居に係る税制上の軽減措置の創設」にあるのでご確認下さい。

 そもそも「三世代同居の住宅政策」って、「希望出生率1.8%」を実現するための、つまり少子化対策としての手段という話でした。素朴な疑問なのですが「三世代同居」を促進したことで少子化対策が成功した事例というのはあるのでしょうか?

 あくまで参考までに、「親との同居比率の国際比較」を見てみると、少子化対策に成功したフランスの同居率は非常に低いです。2000年時点で日本は32.7%ですが、フランスはたったの11.4%です。その他の要因か関係している可能性も十分にありますが、「同居率が高くなれば少子化が解決する」というわけではないようです。

 そもそも、「平成25年版 少子化社会対策白書」をみると「(少子化対策に成功した国の家族政策の特徴を見ると)フランスでは…1990年代以降、保育の充実へシフトし、その後さらに出産・子育てと就労に関して幅広い選択ができるような環境整備、すなわち「両立支援」を強める方向で政策が進められている。スウェーデンでは、比較的早い時期から、経済的支援とあわせ、保育や育児休業制度といった「両立支援」の施策が進められてきた」とあります。この政策、逆行してません?

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