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「俺が開発してやる」という、危険な願望を持つ男たちに欠けているものとは

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一方的に上から見られるだけは御免です。Photo by Mark Taylor Cunningham from Flickr

女性の肉体を開発する」という言い回しは、AVでも官能小説でもエロ漫画でも、アダルト界隈ではよく使われます。フィクションの世界であれば、ひとつのセックスファンタジーとしてありえるのでしょう。古くは「源氏物語」の紫の上のように、何も知らない無垢な女児を自分色に染め上げることに憧れる人は少なくないようです。光源氏は少女だった紫の上の教養を伸ばし、理想の女性に仕立てたので、セックスの手ほどきをしたというわけではありませんが、そこにまで想像を広げて読む人は昔もいま数えきれないほどいます。

 この「開発する」を現実の世界で見聞きすると、背筋のぞわぞわが止まりません。今月、「『君を開発したい』生徒に性的メールし免職の男性教諭の処分取り消し 東京地裁は『停職が妥当』」というニュースがあり、33歳の男性教諭が2011年度に担任していた女子生徒に対して行ったスクールセクハラが報じられました。なんておぞましい……。開発願望メールは、教諭から女性に送られた計845通のひとつです。しかもそのうち829通がたった3週間程度のうちに集中して送られたものというから、女子生徒の心痛はいかばかりだったことでしょう。

 教諭と未成年の生徒という圧倒的な上下関係を利用した性的いやがらせにより男は懲戒免職処分とされましたが、本人はそれを不服として訴訟を起こし、なんとその結果、地裁では「停職処分が相当だった」とされているとのこと……ハァ? その根拠はぜひ記事を読んでいただきたいのですが、セクハラメールを集中的に送った期間が短いからといって女子生徒の心の傷が浅いとはかぎらないし、男が自主的にメール送信をやめたところで何ら褒められることはありません。その段階で彼女を十二分に追い込んでいます。性被害における女性のダメージがいかに軽視されているかを、ありありと浮かび上がらせる判決です。

 いろんな怒りが収まらない記事ですが、今回、考えたいのは〈男性の開発願望〉なので、記事についての個人的な見解をしたためるのはこのあたりでやめておきます。この男性は「君を開発したい」のほかにも、「君が気持ちいいと感じるところを探る。これを『愛撫』といい、大切な行為なんだよ」とも送っていて、〈自分が女性を性的に教え導く立場だ〉という意識の強さがうかがわれます。

男だから、教えてやれる

 30代と10代、社会人と未成年、教師と生徒。一般的には知識や人生の経験値に差がある関係です。経験値や知識の豊富なものがまだ未熟なものへいろんなことを教え授ける、それ自体は人として基本的な営みですが、セクハラもパワハラも他の嫌がらせも、その立場の違いを悪用したものです。加えて、開発願望の強い男には「男だから、女にいろんなことを教えてやれる」という発想も必ずくっついているため、気持ち悪さは何倍にもはね上がります。

 私のもとにSNSをとおして、「バイブよりチンコのほうがいいだろ」「だから俺のを試してみろよ」的なメッセージが届くことはこれまでにも当連載で書いてきたとおりですが、バイブコレクターという活動をはじめて数年、その回数は数えきれません。男っつーのはどうしてこうゲスい下心を隠そうとしないんだろうと、いまでも萎えます。自分が少し損なわれた感覚もあります。なぜそう感じるのかを立ち止まって考えたところ、「この女はチンコの快感を知らずにバイブで悦んでいるのだろうから、俺さまが教えてやろう」という上から目線の開発願望がそこにあるからだと気づきました。

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桃子

オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

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