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セックスレスのとき求めているのはセックスではないのかも、という気づき

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 セックスレスとは無縁!! といい切れる人って、果たしてこの世にいるのでしょうか。私、セックスレスになる自信だけは絶対的にあります。セックスは始めることより、維持することのほうがむずかしい。なにせ相手あってのことですから。努力すれば何とかなるというわけでもありませんよね。

 性欲は数値化できないので平均もわかりませんが、私は人より少し強いのだろうと自覚しています。じゃなきゃバイブを次から次へと挿れたりしません。だからいずれ来るであろう「セックスしなくなる日」というのが漠然と怖いのです。何かが終わってしまう感じ。人生の幕がひとつ降りるような。……ですが、映画『午後3時の女たち』を観て、ふと考えたのです。「私がほんとうに欲しいのはセックスなんだろうか」と。

 主人公は専業主婦、レイチェル。アラフォーで、同年代の夫は稼ぎがよく、5歳の息子はかわいい。でも、セックスレス。電話の履歴を見ると、夫の携帯か会社の番号、そして息子の幼稚園だけ。カウンセリングでも、満たされない想いを吐露できない。それどころか「寝る前にセックスするなんて最悪よ。午後3時ぐらいならいいけど」「夫と見つめ合ってイクなんておかしいんじゃない?」と、うそぶきます。

 彼女を見ていると、「この人、そんなにセックスしたいのかな?」と首をかしげてしまうのです。裕福なのにファッションには無頓着で、化粧っ気もゼロ。自宅のプールで遊ぶとき、身に着けているのは授乳用ブラ(息子はもう5歳なのに)。夫と夜遊びして帰ってきてひさしぶりにい~い雰囲気に……の次の瞬間にはトイレに駆け込みゲーゲーと嘔吐。こう書くと、ただのだらしない女性に見えるかもしれませんが、既婚未婚の別なく、慣れ親しんだ関係ってそんなところがありますよね。他人事とは思えません。私もいずれこうなりそう……だからセックスレスになる自信があるのです。

ストリッパーという強すぎる刺激

 でも、このレイチェルの場合は、日常のなかにある不満をすべて〈セックスレス〉というボックスに放り投げているだけのように見えます。毎日が同じことのくり返し。ママ友づき合いはかったるいし、夫は家でもずっとパソコンを見ていて会話もナシ、子ども関連の行事からは逃げたがる。カウンセラーだって私の話をまじめに聞いているんだかいないんだか。私にもなりたいものはあったのに、なんでこんなに退屈な毎日なの……?

 自分で認めてしまえば何もかもがイヤになって立ち止まってしまうから、目を逸らしているレイチェル。しかし、その逸らした視線の先に、ものすごく刺激的なものを見つけます。それは、ストリッパーの女の子。性的魅力を所かまわず振りまき、「私はセックスワーカーよ」と言ってのけ、顧客とアブノーマルなプレイに耽る。なのに、メイクを落とすと少女のようにあどけない。ある日、彼氏のもとを追い出されホームレス状態になった彼女をレイチェルは自宅に連れ帰り、一部屋与えます。

 セックスレスはふたりで膝を付き合わせて考えても解決しない……というのが私の持論です。どちらか片方にだけ原因があってレスになることはあまりなく、〈ふたりでレスになる〉ものだから、外から打開策を持ち込まないと、という考えです。

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桃子

オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

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