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コンドームから有害物質が体内に染み込む!? “それっぽい言説”に注意!

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Photo by Hey Paul Studios from Flickr

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 ネットサーフィンをしていたところ、こんな記事を見かけました。

「コンドームは身体に良いの?」

 「コンドームに経皮毒は気にしなくてよいのですか?」という質問への回答が書かれています。「経皮毒」とは、『経皮毒~皮膚から、あなたの体は冒されている!』の著者である竹内久米司氏と稲津教久氏が提唱する造語。皮膚から吸収された化学物質は、口や鼻から吸収されたそれに比べて、排出されにくく、体内に溜まりやすい、とするものです。

 「経皮毒」で有名なのは、「子宮(羊水)からシャンプーの匂いがする」というやつですね。合成界面活性剤(水と油を混ぜ合わせるもの)が含まれているシャンプーは、頭皮から香料が染み込み子宮に到達している。だから子宮からシャンプーの匂いがするんだ。これは、子宮内膜症の一因であり、危険だという言説です。

 あとは「紙ナプキンと布ナプキン」もよく聞く話でしょうか。紙ナプキンは石油精製物質を使用しているため女性器の粘膜を通して有害物質が子宮に吸収され、蓄積した毒素が不妊症などの疾患を引き起こす可能性があるとし、紙ナプキンよりも布ナプキンのほうが危険性が低く、エコでもある、主張を唱える人々がいます。

 これら「経皮毒」を根拠とする言説は、すべて「ニセ科学」です。というのも、「経皮毒」は、現時点では学術的な証明はなされていないのです。

コンドームを使おう

 さて、該当記事は、「経皮毒はコンドームを使用する際に心配しなくてはいいか」という質問にどのような回答をしているのでしょうか?

 まず製薬会社が公表している、ステロイドの部位別の吸収率の違いを紹介しています。それによれば、足のうら(0.14)、手のひら(0.83)、背中(1.7)、頭皮(3.5)、ほお(13.0)、性器(42.0)だそうです(前腕伸側を1とする)。

 通常の42倍! と聞くととてつもない数字に思えます。「そんなに吸収率の高い部位に、化学物質の含まれたコンドームを使うのは怖いかも」と思われる方もいるでしょう。

 でも、ステロイドとコンドームを比較すること自体がおかしいと思いませんか? ステロイドは薬です。当然、効果を発揮するために、成分が血中に吸収されるようにつくられている。一方でコンドームはなんらかの成分を体内に吸収させる必要性はありません。比較するならば、ステロイドのような薬ではない別のものを使用しなくてはいけないでしょう。

 とはいえ、皮膚に触れたものが体内にまったく吸収されない、ということでもありません。肌には角質層と呼ばれる、外部からの侵入を防ぐバリア機能がありますが、それを潜り抜けてしまうこともある。しかし、そのことが直接的に「コンドームは危険だ」という結論には至りません。

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