――それでは話し合いは平行線ですよね。
Y「私の気持ちを理解してほしくて、『じゃあ私が上司の誘いで仕方なく出張ホストでエッチなサービス受けたって言ったらどう思う?』って聞いたんですけど、『女同士でそんな場面ないでしょ』『男同士だとそういう付き合いもあるけど、みんな奥さんのことが一番好きだっていうのは変わらないんだよ』とか言ってて……。論点はそこじゃないし、ずれまくり。もう話し合うのも面倒で、ここ最近はほぼ会話してません。夫は『まだ怒ってるの?』とかLINEしてくるんですけど、そんなの返す気も失せますよね」
――せめて心からの謝罪があったらまた違うかもしれませんが、そうじゃないならいつまで経ってもモヤモヤは晴れませんよね。
Y「子供がいなかったらすぐにでも離婚したかったんですけど、生まれたばっかりなんで金銭的な問題もあるし、まだ踏み切れなくて。夫がこんなに人の気持ちを想像できない人だとは思いませんでした。多分、夫はこれからも自分の何が悪かったのか理解できないし、上司の奢りだったらまた風俗に行くと思う。もう少し子供が大きくなったら私も職場復帰する予定なので、そこから徐々に離婚準備をしようかと。一気に夫への愛情が冷めちゃいました」
いくらご主人が「浮気じゃない」と言い張っても、Yさんが怒りを覚えているのはそういうことではないし、そもそも浮気じゃないなら何をしてもいいというワケではありませんよね。夫婦であっても、物事に対する認識が違うのは仕方ないことですが、相手が嫌だと感じることが何かを理解しようとする姿勢は絶対に必要です。自分が悪いことをしたと思っていなくとも、相手が傷つくことがある。そんな当たり前のことを、早くご主人が気づいてくれたらいいのですが……。
(リオネル・メシ子)
1 2