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女性側の主張が全面的に認められたマタハラ訴訟 「自由な意思」に基づく意思決定が行える環境とは?

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Photo by  Teza Harinaivo Ramiandrisoa from Flickr

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 マタハラという言葉も随分と広まってきているように感じます。毎月何らかの形で「マタハラ」という言葉を見かけるようになりました。先週私が書いた「資生堂ショック」も、「マタハラ」とは無関係ではありません。

 さて、今月17日に「マタハラ訴訟」の判決が下されたことはご存知でしょうか?

 この広島市内の病院に務めていた理学療法士の女性が、「妊娠を理由に降格されたのは、男女雇用均等法が禁じたマタニティハラスメントに当たる」として訴訟していた裁判。3年前の2012年2月に、広島地裁で請求棄却をされ、続く広島高裁でもやはり請求棄却(2012年7月)されていました。しかし最高裁が、「自由な意思に基づいて本人が同意した場合」「業務運営に支障が出るなど特段の事情がある場合」を除き、妊娠に伴う降格は原則違法であるという判断を示し、高裁で再度審理することを命じ、今回の判決が下されました。

産休・育休→孤立→退職

 原告女性は2004年から広島市内にある病院のリハビリテーション科で、管理職の副主任を務めていました。その後、2008年に第二子妊娠をきっかけに負担の軽い業務を希望したところ、副主任を外され、職場復帰後も管理職でなくなってしまったそうです。

 先日の「資生堂ショック」の記事でも書きましたが、マタハラが問題となるとき「権利ばかり主張している」「産休・育休をとることで他の社員が割りを食うのは納得いかない」といった声が上がります。理学療法士の女性を支援していたマタハラ.Netによれば、「負担の軽い作業をお願いしているにもかかわらず、降格に不満を持つのはワガママだ」という声がやはり多数あったそうです。

 しかし女性は、負担を軽くしてもらう際の降格については受け止めていました。一時的な降格については納得していたわけです。女性が疑問を呈していたのは、育児休暇から復帰し、今までと同じように働けるようになったにもかかわらず、副主任に戻れなかったこと、でした<ニュース紹介・メディア登場>マタハラ訴訟:逆転勝訴判決に「働く女性に大きな励まし」)。

 報道によれば、副主任への復帰を求める女性に病院側は批判するだけで取り合わず、職場でも孤立し、2011年に退職しています。

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