ライフ

日本人力士が弱いのも、食卓の崩壊も、家族の絆が失われたのも、全部「憲法のせい」な珍説流行

【この記事のキーワード】
舞の海秀平所属事務所(有)舞の海カンパニー公式サイトより

舞の海秀平所属事務所(有)舞の海カンパニー公式サイトより

 しばらく「親学」について追ってきましたが、今回は休憩して小ネタを挟みたいと思います。とはいえ、テーマはあまり代わり映えしません。

 横綱の白鵬が相手の力士の目の前で手を叩く「猫だまし」をしたことが話題になっています。白鵬がモンゴル出身の横綱であることはよく知られていますが、現役の横綱は全てモンゴル出身で(日馬富士、鶴竜)、さらに、最後に日本出身の力士が横綱となったのは今から17年前だということはご存知でしょうか?(最後に横綱に昇進した力士は若乃花/1998年)。

 長らく日本人横綱が現れない……そうした現状を踏まえてか、元小結・舞の海秀平さんは、今年5月に開かれた公開憲法フォーラム「憲法改正、待ったなし!」において、「日本人力士の『甘さ』は憲法全文の影響だ」という自説(珍説?)を展開していました。以下、産経新聞記事を要約すると……。

「日本人力士は正直相撲をとるが、相手は戦略をしたたかに考えている。日本人力士は相手を信じすぎている。これは憲法前文『諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した』に似ている。私たちは反省させられすぎ、思考を停止し、間違った歴史を広められ、国際社会という土俵の中でじりじり押され、土俵間際。今こそ体勢を整え、土俵の中央まで押し返さないといけない。憲法改正を皆さんと一緒に考えたい」(舞の海氏が新説「日本人力士の“甘さ”は前文に起因する」「反省しすぎて土俵際…」

 なかなかすごい論理の飛躍です。上記の発言だけでなく、舞の海さんは以前から、保守派がたびたび言及する問題に親和的な発言を繰り返しています。産経新聞での連載を紹介しましょう。

「…日本の力士だけがふがいないのではない。酒や米がその土地その土地の土壌や気候で味を決めるように、国柄が力士をつくるのである。いまのわが国を見つめると、何もかもが弱腰だ。近隣諸国に言いたい放題にされてはいないか。外国から来た力士に顔を張られても、怒って向かっていく力士がいないのと同じように。土俵は、いまの日本を映し出す鏡なのかもしれない」【舞の海の相撲“俵”論】日本人横綱のいない土俵が映し出す「国柄」

 「日本の力士だけがふがいないのではない」とあるように、力士だけの問題ではなく、その他大勢の日本人も問題視していることがわかります。

「日本の再興という大きな期待は日本人力士も背負っているときだと言っていいだろう。それを成し遂げるには、政治家に求められるように、力士も強い国家観を持って臨んでほしいと思う」【舞の海の相撲“俵”論】日本人力士に必要な強い国家観

「恵まれた体格や技術を生かすも殺すも「心」次第だ。自分のためだけではない。家族、師匠、部屋、母校、故郷、そして国を思う気持ちをどれだけ強く持って土俵に上がれるか。外国勢の勢いを止めるためにも、稀勢の里には「皇国の興廃この一戦に在り」という気概で戦ってほしい」【舞の海の相撲“俵”論】「皇国の興廃」の気概で

 舞の海さんは、様々な事象を「国家観」に結び付けて考える癖があるようで、産経新聞のコラムに限らず、様々なメディアや講演でも同様の発言をしています。

1 2

[PR]
[PR]

messy新着記事一覧へ

家族という病 (幻冬舎新書)