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政策決定の場に女性がもっと多ければ…イギリスで過熱する「生理に課税するのはやめよう。以上」運動

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Photo by pironimo from Flickr

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生理用品は「高級品」?

 現在、日本では、更なる消費税増税に伴い、物やサービスごとに異なる税率を適応しようという、軽減税率の議論が盛り上がっていますが、イギリスでも軽減税率は熱いトピックです。ただ、議論はより限定的で、「生理用品の税率をゼロにしよう!」というもの。

 日本人にとっては馴染みの薄かった軽減税率ですが、実は、ヨーロッパやオーストラリア、カナダなど、欧米諸国では一般的。それぞれの国が独自の基準で、物やサービスごとに、異なる付加価値税 (日本の消費税)の税率を決めています。

 イギリスでは、標準税率は20%ですが、生活必需品とみなされると課税率は0%に。このカテゴリーに入る物は多岐に渡り、納得の食料品から、ヘリコプターや、プライベートジェット、クロコダイルのステーキなど、「なぜ?」と首をかしげてしまうものまで、様々なものが非課税になります。それなのに、多くの女性にとって毎月必要になる生理用品は生活必需品として認められず、「非生活必需品、高級品(non-essential, luxury)」カテゴリーに入れられ、5%の税金がかかってしまっているのです。

 そこではじまったのが、“Stop taxing periods. Period.”キャンペーン。日本語にすると、「生理に課税するのはやめよう。以上」。Periodには、終止符の他に、生理という意味もあり、「生理」と「終わり、以上」をかけた、言葉遊び的なユーモアあふれるキャンペーンです。この運動が、今注目を集めています。

生理には、お金がかかる

 男性にはピンと来ないかもしれませんが、生理のある期間、女性は痛みやだるさなどの身体的な苦痛にプラスして、様々な出費を強いられます。

 ナプキンやタンポンなど生理用品で約6百円。痛み止めで約6百円。生理痛軽減や生理周期を整えるためにピルを飲んでいる人も多いですが、保険がきかないので全額負担で約3千円。

 さらに、鉄分補給のためのサプリメント、体に良くないと思いながら、ついつい体が欲するチョコレートなどのお菓子、だるさから普段は乗らない距離で乗ってしまうタクシーなど、毎月少なくとも5百円から多い人で5千円以上、生理にかんする出費をしているのです。年間なら、6千円から6万円以上!

 こんな状況の中、ヘリコプターは課税されないのに生理用品には課税されるなんておかしいじゃないかということで始まった“Stop taxing periods. Period.”キャンペーンには、既に26万人もの署名が集まっています。

 このキャンペーンの特徴は、生理という語りづらいテーマに、ユーモアを上手に取り入れ、シェアされやすくしたところ。生理用品が高級品(ラグジュアリー)カテゴリーであることを笑いにした投稿も多いので、いくつか見てみましょう。

タンポンをペディキュア用のフットセパレーターに見立てて、「とってもラグジュアリーな一日」。

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コーエン藍

日本やアメリカ、ヨーロッパの大学でジェンダーを学ぶ。 現在は外資系企業でマネージャーとして勤務する30代日本人女性。

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