連載

とにかく明るいシングルマザーが、「離婚理由」を話さなかったワケ

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離婚理由は誕生日ケーキ

 「娘ちゃんにどうやって離婚理由を伝えるか」というコラムを書いた後、「そういえば離婚理由ってあんまり人に話せないなあ」と思いました。どんなに正直に話しても、誤解されるときは誤解されてしまう。「考えが甘かったんじゃないの?」「相手がどういう人かわからなくて結婚したのが悪いんじゃないの?」「ひとり親になって子どもがかわいそうでしょ?」とか。

 連載の中でも離婚理由は詳しく書かずにいました。書いても誤解されるし、上原のマイルールに従うと「誕生日ケーキがチョコエクレアだったから」と書くことになる。そんなこと書いたらボコボコに叩かれていたと思います(笑)。

 「彼に稼ぎがなく、自分で生活費を稼いでいた。優しい人だと思っていたけれど、その優しさは彼自身に向いているものだった。子どもがこんな父親と暮らすのはよくないと思って離婚を決めた」と書いていたら違ったのかもしれません。でもそのように書くつもりはありませんでした。経済的なDVや精神的なDVをテーマにコラムを書くなら、必要があれば真面目に離婚した理由を書いたかもしれません。だけど、離婚理由をテーマにしたコラムじゃないんだから明るく書いてもいいと思う。誰に何を話すかって、その人が勝手に決めればいいことのはず。

シングルマザーも子どものことを思ってる

 未婚、離婚のシングルマザー/ファザーは、理由があってシングルになっています。たくさん悩んだ上で、結婚しなかったり、離婚を決断したりしています。子どもの責任を負うのは「親」です。子どもが成長するにつれて出てくる沢山の問題は、子どもが自立するまでは(してからも?)、最終的には全て「親」が一緒に抱え、決断しなければなりません。

 そうしたことは当然わかっていて、それでも未婚や離婚を選んだのは、大きな決断だったと思います。「本当にこれでよかったのだろうか」と離婚してから思い悩む人もいるでしょう。そんな人達に対して、見えていないものを勝手に想像して、乱暴に否定だけすることは、あまりにも浅はかな行為だと思います。

 ひとりで子どもの一生の責任を負っている親は、子どもに「苦しい顔」を見せないように、子どもに「ツラい思い」をさせないように必死です。「もっと苦しんでいる姿を見せろ」「困窮しているなら明るく振る舞うな」と圧力をかけるのは、男性だろうが、女性だろうが、社会的に弱い立場にいる人に暴力を振るっているのと変わりません。きっと、インターネット上で誰かに暴力的なことをしている人達には、リアルでの不満があったり、自分の中でモヤモヤした気持ちがあったりするのかもしれません。でも、怒りや不満、負の感情を連鎖させるのは違いますよね。

 幸い、上原は親族から十分な支援を受けられて、大学にも進学できました。知り合いにも恵まれて、以前に比べたら随分と精神的に余裕が生まれてきました。だからバッシングを目にしても、それなりに冷静でいられるし、自分を省みることもできます。それに高校、大学での勉強の中で「ものごとを1つの側面から判断してはいけない」と学びました。

 でも周囲の環境に恵まれていないときに、シングルマザーへのバッシングを目にしていたら、とても傷ついていただろうし、バッシングだけが全てだと思い込んでいたと思います。そして上原が「明るく振る舞う」せいで、「書かれていないこと」を持ち出して、「シングルマザー」をバッシングするようなコメントがつくなら、コメント欄は閉じたほうがいいと担当編集者と話し合い、閉鎖することにしました。上原の連載につくコメント欄をみた別のシングルマザーの方を傷つけてしまうかもしれないと思って。

 ……さて、27歳になった上原ですが、「由佳子、アラサーキャラで売ってないから27歳って自覚ないもん♪」と言ったら、親しい人達から「大人になれ!」とお叱りを受けました(笑)。上原をよく知る人たちだから言い返せない……。娘ちゃんと一緒に成長していくから精神年齢7歳で大丈夫なはずです!!!!!!

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上原由佳子

1988年生まれ。沖縄県在住。シングルマザー女子大生。女子力の欠片もなさを小学1年生の娘ちゃんから指摘される、どうしようもない系アラサー女子。

@yu756ka

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