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「限界も近い」「働いていても生活が楽になるわけじゃない」ひとり親家庭の実態

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Photo by Leon Fishman from Flickr

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 「本当につらく、生活苦です。体も心もギリギリのところで生きています。助けてくれる人もいません。シングルマザーですので1人でなんでもやらなくてはいけません。限界も近いと思ってます」

 神奈川県が、生活困窮の割合が多い「ひとり親家庭」の現状やニーズを把握するために、「児童扶養手当」の受給者を対象としたアンケート調査を実施し、その結果を発表しました(平成27年3月末現在 対称者数:61,990人 有効回答数:651件)。冒頭はその調査に寄せられた自由意見のひとつです。

ひとり親は働いている

 ひとり親家族、特にシングルマザーの貧困は深刻な状況にあることはご存知の通りかと思います。今回の調査結果も、その裏づけとなるようなものでした。

 「過去1年間に経済的理由のために支払いができなかったことや滞ったこと」を尋ねる項目で、最も回答が多かったのは「あてはまるものはない(45.2%)」でした。次に多いのが、「ガス・水道・電気などの公共料金(27.6%)」「年金・医療・介護の保険料(23%)」「塾やおけいこごとの費用(17.7%)」となっています。

 ガス・水道・電気は、支払いが滞っても停止処置までにある程度の猶予をもうけられるものの、こうしたライフラインの料金を支払えないことは、それだけ困窮した状況にあるということです。年金・医療・介護の保険料については、支払いが滞ることで、いますぐ困難が生じるものではないかもしれませんが、必要な受給資格期間に満たないことで年金を受給できなくなるといったリスクがあります。長期的に考えると、大きな損害になる可能性が高いでしょう。

 筆者もそうですが、こういった料金を、口座引き落としではなくコンビニ支払いにしていると、つい忘れてしまうことがあります。ただひとり親家庭については、「(お金はあるが)支払いを忘れた」「働いていない」ということではないようです。

 今回の調査によれば、ひとり親家庭の現在の就業状況は、51.1%が「パート・アルバイト・非正規職員」で、37.6%が「常勤・正規職員」。家事無職はたった6.3%となっています。ひとり親世帯のほとんどが何らかの形で働いているわけです。しかし年収は100~200万円未満が35.7%、200~300万円未満が30.4%と、300万円未満が7割を超えています。

 国税庁の民間給与実態統計調査によれば、日本全体の給与所得者の1人あたりの平均給与は415万円。女性のみでいえば272万円です。この数字と比べても、ひとり親家庭の収入は平均より少ない。その上、子どもを1人以上育てるだけ支出が多くなりますから、数字以上に生活は苦しいことが想像できます。

 さらに預貯金(株、保険、現金など)の額をみると、「0円」が33.9%。次に多い「11~50万円」が18.3%となっています。まったく預貯金がない、あるいはほとんど預貯金がないひとり親家庭がほとんどだということになります。病気になるなどの想定外の支出を対応するのも厳しい。家電が故障した場合、すぐに買い換えることはできないでしょう。

 「(お金はあるが)支払いを忘れた」「怠けている」ということはない。「働いているのに、支払えない」状況にあることがわかります。

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