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「家族が互いに助け合う」と自立を遠ざける! 親族支援のリスク

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uehara23

 前回の原稿を提出した後、担当編集から「上原さんって、マザコンなんですか?」と言われました(笑)。さっそく「ママ! 由佳子マザコンらしいよ!」元気いっぱいルンルン気分で母に報告したら、「は? 脛かじり虫の間違いでしょ!」と、一蹴され胸が苦しくなりました。後期の学費の捻出先は、母の冬のボーナスです! シングルマザー女子大生・上原由佳子です。

 上原は母方では初孫として生まれため、祖父母や伯母、叔父、両親からめちゃくちゃ甘やかされて育ってきました。幼少期は週に2日しか休みがないくらい習い事を詰め込まれ、父が亡くなってからは、母が仕事に没頭するまでは監視がとても厳しかった。その反動で家出を繰り返すようになる、よくあるパターンの奴が上原です。今考えるととても分かりやすい子どもでした(笑)。

 反抗期の延長で18歳の時に元夫と結婚し、21歳で離婚したわけですが……。ライフライン全滅事件以降は、ずーっと家族に支えられて生きています。いわゆる「親族支援」がある状況なのですが、上原はこれが“支援”だということに気付いていませんでした。むしろ、家族で支えあうことのリスクを大学の授業のリアクションペーパーに長々と書いちゃうくらい批判的に見ていますし、問題視しています。

 「ほらみろ、ぜんぜん感謝してないじゃないか!」と言われてしまうかもしれません。でもそれには理由があるんです。ということで、今回は「親族支援を受けること」について書いてみたいと思います。

親族依存度が高い

 シングルマザーが「親族支援を受けている」と聞くと、親族の生活は安定していて、子どもの面倒を家族にみてもらったり、住むところを提供してもらったり、経済的な援助を受けているんだな、というのが一般的なイメージだと思います。

 実際、上原は祖母宅に住んでいて、娘ちゃんを祖母に預けて大学に行っています。叔父や母から交通費をもらうこともあります。たぶん、本土で生活している人からすると「かなり恵まれているくせに、愚痴っている」ように思えるかもしれません。でも、沖縄では意外と当たり前のことなんです。

 というのも、沖縄では独身の人は実家に住んでいるのが普通です。結婚して実家を出ていたとしても、シングルマザーになったら実家に戻る、あるいは実家の近くに住めばいいと考える人が少なくありません。「親族支援」があることを前提に生活しているんです。つまり、個人の経済力だけでなく、日頃から関わりのある親族の経済力に依存している部分が大きいんです。言い換えれば、“自立”してなくてもぼちぼち生きていける環境が整っている、ともいえます。

 その代わり……と言うのも変な気がしますが、経済的な依存先になっている親族が病気になるなどして崩れたら、次は自分が支える側に回らないといけなくなります。それが“当たり前”です。もしかしたら「沖縄に限らずそうじゃないの?」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。でも、親族への依存度がとても高い。というかそうじゃないと生きていけないレベルにあるのが沖縄なんです。

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上原由佳子

1988年生まれ。沖縄県在住。シングルマザー女子大生。女子力の欠片もなさを小学1年生の娘ちゃんから指摘される、どうしようもない系アラサー女子。

@yu756ka

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