Mさんの恋愛観・家族観
――じゃあ最後に駆け足ですが、ちょっと思い残したことっていうか、聞いておきたいことをいくつかいいですか? Mさんは元彼とは今も仲良くしてるんですか?
Mさん それも人によるかなぁ。ほとんどみんな元々は友達だったみたいな人だから、断絶ってほどにはあんまりならないけど、アメリカ人の彼なんかは今でも“仲良い”って感じ。悩み事とかもたまに話してくれて、KともRとも未だに仲良いし、私たちとの関係はいい感じだと思う! まだ彼の家族には会えてないんだけどねぇ。
――恋愛と結婚は、Mさんにとって何が違ったんですか?
Mさん 恋愛は病気みたいなもので、たまに起こることって感じかな。けど結婚は制度じゃない? 元々結婚に対する憧れみたいなものは特になかったけど、結婚している間は意味不明なことだらけっていうか、頭にハテナの日々で、離婚するころには、結婚がただの制度だって思うようになってたよ。
――様々な人が自然と集まってくる家で過ごしていて、一人きりになりたくなる時間ってないんですか?
Mさん それも「今だけかな」って思ってるうちに今に至ってるから、そんなに深刻に悩んだりしたことはないかな。いつかは一人になるもんね。
――子供たちはもう20代と小学校高学年でそれなりに大きい年齢と言えると思いますが、家事とかって手伝ってくれてますか? あと、Yくんが生まれる前後、Kさんは育児や家事など手伝ってくれましたか?
Mさん 今は私が家にいるときは2人ともなーんにもしてくれないよ! けど、2人とも多分、外ではそこそこちゃんとやってるんじゃないかな。と信じてるよ(笑)。それから、Yが生まれたときね、Kはすっごい泣いて喜んでくれて、すごい可愛がってくれたし、KにとってYは同士みたいな感じだったんじゃないかな。
――なんか、Mさんの話を聞いてると「気が付いたらそうなってた」みたいな感じで色々な環境が作られたというか、受け入れられてきたような、そんな印象を受けるんですけど、「これだけは譲れない」みたいな信念っていうのかな、そういうものって何かありますか?
Mさん んー、究極を言うと、2人の子供が優しい人間になることだけが私の望みかな。私が死んでも2人の姉弟がずーっと思いやって生きてくれたらいいと思ってる。
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<まとめ>
T家の取材をしてみて思ったことは、インタビューを読んでいただければ分かるように、Kさんはすごくシッカリしていて、それでいて柔軟さや遊び心もある、とても素敵な人だということ、そしてMさんは大らかで潔く、とってもチャーミング。「シングルマザーとして」「シングルマザーに育てられて」“生きてきた”お二人の言葉や雰囲気は、当時妊娠中でまだ始まってもいない、すべてが「これから」の私にとって、すごく心強いものでした。
「シングルマザー」ということに関して、MさんもKさんも、人には話せないネガティブな感情や出来事を経験したことも少なからずあると思います。それでも、こうして大好きな料理をしながら笑うMさん、好きな写真を仕事にして活躍しているKさんを目の当たりすると、すごく励まされる気持ちになりました。
Rが言っていた「それでもこうして生きてるっていうのを見に来るんだよ」というのも、結果的にはあながち外れではなかったのかも(笑)。このインタビューでお近付きになって以降、私は生まれた子供を連れて何回かT家にお邪魔させてもらっています。私はお二人が素敵に生きている姿を見るたび、頑張ろう! って気持ちを奮い立たせています。そして、Mさんのご飯はいつ食べても美味しい!!
(編集部註:インタビュー編はコメント欄を設けません。ヒラマツさんへのご意見はバックナンバーのコメント欄をご利用ください)