今年はもっと踏み込みます♪
2015年5月からスタートしたこの連載も、今年3月には終わります。今までは、せっかく原稿を書くのだから、上原の「体験」と「社会問題」を可能な限り引き寄せて書くことを意識していました。でも上原の感情的な部分には触れていません。過去にあった出来事と向き合うだけでもツラいのに、感情にも向き合うとなると、生々しさが増して激しくメンタルダウンしちゃうんだもの。
連載に対するいろいろな反応を見ていて、上原が<もといた場所>がどんなところだったのかが伝わっていないことに気がつきました。
シングルマザーが様々な問題を抱えていることは、少しずつだけど共有されてきました。多くの人が客観的な情報を発信していて、解決しなくてはいけない社会問題として理解されてきています。でもその一方で、「シングルマザーってみんな貧乏で、大変なんでしょ?」といったイメージだけが一人歩きしてしまうように思います。
せっかく連載の中で自分語りをしているんですから、「シングルマザー」といっても人それぞれだということ、もちろんその中に共通点があるのかもしれないということを知ってもらえるような原稿を書きたい。特に、上原が<もといた場所>で「シングルマザー」として生きることが、どれだけ恐ろしいのか知ってほしいし、考えてみてほしいんです。だから今まで以上に踏み込んで、感情的な部分も避けずに書こうと思いました。
上原が<もといた場所>は、様々な暴力が許容されやすい場所です。モラハラ、パワハラ、セクハラ……そんなもの当たり前すぎて、言葉も考え方もほとんど存在しませんでした。でも、上原が<もといた場所>を今でも居場所にしている人達がいるのは事実だし、「そこにいたい」と思っている人達だっています。そして、彼らを彼らが生きる社会から一般社会に引っ張り出した瞬間に、社会的な立場が弱くなるのも事実です。これまでいた社会とルールがまったく違うんですから。
そういった場所から出て行くのは、言葉に出来ないくらいの辛さが伴います。上原は<もといた場所>に関連する臭い、物、書籍に触れたとき、何かに追われているような得体の知れない恐怖に襲われます。2015年は考えることがあまりにも多く、何度も潰れそうになりました。でも原稿の催促をする相棒ちゃんが側にいてくれる間に、現実と感情と向き合ってみるのもいいのかもしれません。というわけで、2015年を振り返りつつ、残り3カ月も現実と向き合いつつ頑張るぞ! という宣言でした♪
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