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7割近くの男性が「夫が家事育児をするのは当たり前」 社会通念は変わりつつある。制度を変えるのは今だ

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男女共同参画白書より

男女共同参画白書より

 先日、「男性のほうが、男性の家事育児参加への意識が高い」という衝撃的な調査結果が報道されました。

 大阪大学の吉川徹教授らのチーム(SSPプロジェクト)による社会意識調査では、「夫が妻と同じくらい家事や育児をするのは当たり前だ」という質問に、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた女性は55.1%、男性は66.2%と、男性の家事育児参加への意識の高まりをうかがい知れる結果が出た、というニュースです。

男性の方が家事意識高い 阪大「社会制度に課題」

 ちなみにこの記事タイトルはミスリードですね。正確には冒頭で書いた通り、「男性の方が“男性の”家事意識高い」でしょう。

 それはさておき、この調査結果が本当ならとても喜ばしいことです。「男性は外で稼ぎ、女性は家で家事育児をする」という性別役割分業を背景とした社会通念は既に変化していて、重要な課題は社会制度である、ということですから。吉川教授も記者会見で「男性の心構えはできており、参加するための社会制度に課題がある」とお話になっています。

 ……とはいえ、「え、本当?」と疑いたくなるのが正直なところでは? 私自身、周囲を見渡しても、家事育児に積極的な男性はあまり見かけませんし、既に家事育児を妻と同じくらいしているという男性は数える程度しか知りません。ただ、私の周りにそういう男性がいないというだけで世の男性たちの多くは家事育児に積極的で、かつ既に実践し始めているのかもしれません。実際、全国を対象としたこの調査でそうした結果がでているわけですから。

 それじゃあ、実際の分析を細かく見てみよう……と思ったら、まだこの調査結果の詳細は公開されていないようです。残念です。きっと地域や年齢、年収、業種などで様々な差異が出ているはず。早く公表して欲しい……! と嘆いていても仕方ありません。別のデータを参考に「男性の家事育児参加意識」の変化を辿りましょう。

他の調査でも類似の結果が示されている

 「平成25年版 男女共同参画社会白書」では、「家庭内の役割分担意識の変化」がグラフで示されています

 これを見るかぎり、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」という性別役割分業価値観に対して「賛成」と答える男性は世代を問わず減りつつあることがわかります。

 他にも同様の傾向を示すデータは多々あります。例えば象印マホービン株式会社が、10歳以下の子供を持つ30代・40代の男女を対象に行った「父親の家事・育児に関する意識調査」では、回答した男性の9割以上が「仕事が忙しくとも、男性も、家事・育児に(なるべく)参加するべき」と答えています。なお詳しく見ると、「仕事にかかわらず協力するべき」への賛成が42.5%、「仕事との兼ね合いによるがなるべく協力するべき」への賛成が49%でした(「協力」って……なんで「家事育児の外野前提」なんだ、という疑問も沸いてきますが)。

 その他、様々な機関で家事育児に関する意識調査が行われていますが、同様の傾向が多々みられました。冒頭で紹介した調査がおかしい、ということもないようですね。じゃあ、どうして私の周りには、実際に家事育児に参加している男性が少ないのでしょうか。ここで気になるデータが「男女共同参画白書」にありました。

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