性についてのあれこれを書いていると、恋愛についての言及を求められることがあります。モテテク指南とか、ベッドのうえで男心をつかむ方法とか。それについてはまったくの門外漢であることをお伝えしながら、いつも「なぜ私に?」と首をひねります。おそらく、「恋愛の延長線上にセックスがある」「セックスは恋愛を構成するひとつの要素」との考えに基づいての依頼なのだろうと推測していますが、恋愛とセックスは別ものだと考えているので、なぜ一緒くたにされるのか正直よくわからない……。
恋愛しなくてもセックスはできるし、セックスがない恋愛もまた成り立ちます。とはいえ、これは恋愛におけるセックスを否定するものではなく、恋愛関係にある相手とのセックスは基本、安全で安心感があるため快感が増幅しやすいし、普段から心を通わせ合っているだけに、コミュニケーション面もスムーズに行くはずです。が、セックスの目的を〈心身の満足感〉とするなら、恋愛がそれをなんら保証するものではないことは、多くの人が身を持ってご存知でしょう。
〈心身の満足感〉は自分ひとりでも得られますしね! 一介のバイブコレクターである私は当初、「私がセックスについて語るなんて、いやいやいや……」と、セックスとオナニーのあいだに明確な線を引いていました。バイブレーターを集めはじめたころは彼氏(当時の)にも内緒にしていたので、よりそういう気持ちが強くなったのかもしれません。
モテはどうでもいいけれど
アダルトグッズ業界的にも、バイブ=男が買って女性にオラオラ感覚で使うもの、または、女性がひとりで使うものという見方がほとんどでした。カップル双方の感度を高めるためのコミュニケーションツールとして作られた国産グッズはゼロに等しい状態で、欧米製のグッズを取り扱っているショップもまだ僅かでした。「カップルで一緒に使う」発想は、欧米製のグッズやローションとともに輸入されたものなのです。そうしたものに触れるうちに、私のなかでもセックスとオナニーの境界線が薄れていき、なんなら分けて考える必要もないと気づくに至ったのです。
同じように恋愛とセックスやオナニーも分ける必要がない……と考えてみたのですが、やはり無理がありました。そうしたお話でいうところの恋愛は、特定の誰かと肉体も交わしながら深い関係性を築くことではなく、「誰か相手がほしい」「いろんな人からモテたい」「そのなかのひとりを選びたい、選ばれたい」というもので、そんなのどーでもいーーーー!!! としか思えません。ゆえに、同じく、どーでもいーーーー!!! という編集方針のmessyはたいへん居心地がよいのです。その手の女性は「モテた!」と思った瞬間に、ぶわぁっとドーパミンが出るのでしょう。それは性的快感に勝るとも劣らないものかもしれませんが、だったら私はセックスやオナニーのほうがよほど手っ取り早いです。
ただ、そんな私でも「これだけはモテない」と断じたくなる事案が周囲で頻発しています。いえ、ずっと以前から当たり前のようにあった事案なのですが、いちいち引っかかっていてもしょうがないと気持ちをあえて鈍感にしてスルーしていたものが、最近、見過ごせなくなってきたのです。それは「プチ差別」発言をする人です。
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