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「子供を産んで育てる人生を望まない」と明言した山口智子の潔さが素晴らしい

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私の人生の責任

 日本に限った話ではないが、この社会において恋愛は結婚に、結婚は子育てに結びつけられる。結婚をすると、「子供はまだ?」と期待されるのがごく当たり前のこととされている。山口智子と唐沢寿明においても例外ではなかった。彼らは子供のいない夫婦だが、入籍後、山口が10年以上にわたり女優業をセーブしてメディア露出を控えていたため、「妊娠出産のために仕事を休んでいるのでは?」と邪推され、さらに「敢えてつくらないのか」「いやいや不妊治療をしているんだ」などの憶測まで飛び交った。酷い話だ。この話題に、今回のインタビューで山口がはっきりと応じている。それこそが、同記事を“もっとも注目すべき”と推す理由だ。以下、太字は引用。

「私はずっと、『親』というものになりたくないと思って育ちました。私は、『子供のいる人生』とは違う人生を歩みたいなと。だからこそ、血の繋がりはなくとも、伴侶という人生のパートナーを強く求めていました」

「私はずっと、子供を産んで育てる人生ではない、別の人生を望んでいました。今でも、一片の後悔もないです。人それぞれ、いろんな選択があっていいはず。もちろん、子供を持って初めてわかる感動もあると思います。実際に産んでみないとわからないことだと思うけれど。でも私は、自分の選択に微塵の後悔もないです。夫としっかり向き合って、二人の関係を築いていく人生は、本当に幸せです」

 産めよ増やせよと喧しい超少子高齢化社会で、ここまではっきりと「自分の選択」を明示できる山口智子という女性は素晴らしい。この社会で「産まない選択」をすると、「では代わりにあなたは何をしているのか」と詰め寄られる。しかし山口は「世のため人のため」などではなく「自分のため」に生きていると、当然のように言い切る。何の言い訳も用意しない。本来、「誰かのために生きない」ことの言い訳を用意する必要など誰にも、どこにもないのだ。「仕事をひたすら頑張りたいから産まない」のでもなく、「ただ私は産まない」。それでいいし、誰もそれを「自分勝手は許さない!」などと断罪する権利を持たない。

 どのような人生を生きるのか、責任は自分にある。というか自分以外の人間に、その責任などとれない。つまり、「子供を産んで育てる人生」を望むのも、望まないのも、自由。大きな影響力を持つ女優・山口智子がこのメッセージを発信してくれたこと。また、同誌がこれまでの読者層は40代前後だったのに、わざわざ30代にターゲットを絞り直し、山口智子のメッセージを伝えた意義は大きい。

 まさか誤解する人はいないと思うが、山口の発言は「子供を持つ人生」を送る人々に否定的なものではない。あくまでも彼女自身の人生について、語っているだけのことだ。ではあなたはどうか。あなたの人生を「どうしたい」のか。思い描くライフコースは本心か、それとも誰かの期待や世間体を背負ったものなのか。肉体的に大きな変化を余儀なくされ、いくつもの選択機会に直面する30~40代、そしてその親世代、どちらにも「FRaU」3月号はおすすめしたい。

(ヒポポ照子)

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ヒポポ照子

東京で働くお母さんのひとり。大きなカバを見るのが好きです。

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FRaU(フラウ) 2016年 03 月号