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「おしゃふん」が女性を健康に? ベストフンドシストに矢口真里まで担ぎ出したふんどし業界の詭弁マーケティング

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1億2千万人総ふんどし化計画」が、進んでいます!

 2月14日といえばバレンタインですが、〈ふんどしの日〉でもあったことをご存知でしょうか。日本ふんどし協会によると、「愛する人にふんどしをプレゼントする日です!」とのこと。へえ、そ、そうなんだあ。

 ふんどしは昨今〈おしゃふん〉と呼ばれる商品が登場し、スタイリッシュなプリントの布を使ったエプロン状ものや(越中型ふんどし)、ほっこり版・紐パンツといった風情のものまでと(もっこ型ふんどし)、バリエーションも豊富です。

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著者私物。※使用前!

 とりあえず買ってみました、着用しました……が、ボトムの下でゴソゴソして動きにくいわ~。デスクワーク中心で家事も最低限という、座っている時間の長い生活の人なら、大丈夫なのか? 個人的には、化学繊維をふんだんに使っているであろう、グ~ンと伸びるユニクロパンツのほうが好みですが、ガーリーな雰囲気がウリのワコールの下着ブランド「ウンナナクール」すらも、ふんどし型パンツ〈ななふん〉(写真右)を出しているので、いわゆる〈和もの大好き女子〉にはそこそこ需要があるのでしょう。

 締め付けは女性の敵、という主張

 と、そこまでなら、もちろん当連載のウオッチング対象に非ずです。ツッコミどころは、現代風のおしゃれふんどしに、毎度おなじみ(?)である、無理のある健康効果が付加価値として盛られている点です。

日本ふんどし協会の主張によると〈化繊のぴちぴちしたパンツ〉は、冷え太りの原因! なんだとか。ご丁寧に、『夜だけ「ふんどし」温活法』(日本ふんどし協会著・山田麻子監修/大和書房)という書籍も発行されていて、「寝ているだけで全身活性化!」「血流アップでどんどん若返る!」と、ふんどしに次のような健康効果があると主張されています。

・ふんどしは〈締め付けない〉のが最大の特徴。今までぴちぴちの下着によって締め付けられていた体が開放されれば、冷えが解消されて体が温まる!

・夜、ふんどしに履き替えると意識的に体をゆるめることができ、リラックスモードである副交感神経への切り替えがスムーズになる。すると消化&吸収力もアップ!

・寝ている時間に、体を下着で締め付けるというストレスから解放されると、熟睡できる

・下半身の血流がよくなれば、痔の予防になる

・風通しがいいからムレ解消。カンジダ症の予防にもなる

 これ、すべての項目は〈きついパンツで体をギュウギュウに締め付けている〉という前提ありきの健康効果だよな~。締め付けすぎて気絶者続出といわれた中世のコルセットや、特殊なボンテージファッションを着用しているわけじゃあるまいし、機能的で美しい下着が充実している昨今、そこまで締め付けている女子なんているんでしょうか。

ふんどしで心の病も治す!?

 しかも、人間工学に基づいて開発され、機能性、使用感ともに研究しつくされている大手メーカー様の下着をなめてもらっちゃあ、困ります(エクササイズ効果を引き出すと謳う類の下着は、確かに締め付けが強いけど)。ふんどし協会の指摘する〈ぴちぴちしたパンツ〉なるもので体を締め付けている人がいるとしたら、それは単にサイズ選びが間違っているだけの話。そこを元凶! とつつかれても、オシャレパンツもお困りですよ。

 女性の健康の味方! と謳いながら、その実は〈血行不良! 生理不順! デブのもと!〉と脅せば女が喰いつくと思っている、不快なマーケティングです。

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山田ノジル

自然派、エコ、オーガニック、ホリスティック、○○セラピー、お話会。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のないトンデモ健康法をウォッチング中。当サイトmessyの連載「スピリチュアル百鬼夜行」を元にした書籍を、来春発行予定。

twitter:@YamadaNojiru

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