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自立を促しているはずなのに、結果的にひとり親家庭を苦しませている使いづらい制度の問題点

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インフルエンザと風邪が流行していますが、上原は毎年恒例のアトピー性鼻炎なう、です。でもそんなに苦しくないですよ。免疫力って素晴らしいですね。ただ、心は年末から続くうつ状態! 毎年、年度末になるとやる気どころか気力を失います。シングルマザー女子大生・上原由佳子です。

世の中の大多数の人は、年度末決算で慌しくしていたり卒業シーズンだったりして節目の時期でしょう。上原はこの時期になると、来年度に向けた国や行政の貧困対策やひとり親への支援策を見ては、喜んだり、落ち込んだりしています。ここ数年は、少しずつ貧困問題への社会の意識が高まり、解決策が打ち出されるようになって、嬉しいこともたくさんです♡

……でも、上原が使いたくて使いたくて仕方ない制度は、あいかわらず変わる様子がありません。その制度とは……ひとり親世帯の親が高等教育(専門、短期大学、大学)を受ける際に貰える「高等職業訓練促進給付金」です。

というわけで、今回は「高等職業訓練促進給付金」について書いてみたいと思います。

高等職業訓練促進給付金とは

高等職業訓練促進給付金は、あまり知られていない制度のようですが、国の「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業」の一環、つまりひとり親が自立できるように支援する事業のひとつです。

どういった内容の制度かざっくり説明すると……

ひとり親世帯の親(母/父)が介護士や保育士、看護師、理学療法士、看護師などの資格をとるために、2年以上養成機関(専門学校、短期大学、大学)で勉強する場合、学校に通っている間の生活の負担を減らすために出される給付金です。

「えー! ちょー助かるぅ♡」と、言いたいところなのですが、実は、そんなに使い勝手のいい制度ではないんです。

資格をとっても仕事がない

この制度が使えるのは「国家資格」を取得する場合、または、各都道府県、市町村の長がOKを出している資格に限定されています。現実的な選択肢としては、看護師、理学療法士くらいしか残らないんです。

だって、ほら、子育てをしているのに奨学金を借りて介護士や保育士資格を取ると思いますか? 学費は高いくせに、介護職や保育士資格を使ってできる仕事って給料が安すぎるんです。低賃金の仕事では、卒業後に奨学金の返済と生活費でいっぱいいっぱいになると思います。むしろ経済的により厳しい状況に陥ってしまうかもしれません。

また、地域にもよりますが教職も制度の対象になる場合があります。上原が在籍している大学の学科では、社会科の教員免許が取得できますが、教職って年間の学費にプラス10万円払わないといけないんですよね……。しかも採用試験の倍率も高いんです。沖縄県の教員採用試験(高校、倫理政経)の倍率は平成26年度で55倍。平成22年度は120倍でした。教員免許を取ったとしても、臨時職員のチャンスすら回ってこないのでは? と、思わずにはいられません。

実際に臨時職員として教員をやっている人達から話を聞いてみると「30歳超えた辺りから仕事がこなくなる」「採用試験の結果が良かった順に仕事がくるらしい」とか、そんな話が飛びかっていました。ただの噂にすぎないのか、本当の話なのかはわかりませんが、厳しい現実が待ち受けているのは確かのようです。

この制度はどの資格を対象とするか、自治体にある程度裁量が認められているため、窓口で優しい人が対応してくれるとか、ひとり親世帯が抱えている問題に熱心な議員さんがいると、いろんな資格が対象に入るようになるかもしれません。ちょっぴり運任せな感じが否めなくて、あんまり好きじゃないですけど……。とにかく、取得にかけるコストに見合うような資格が対象に入っていないこと、そもそも対象となる資格があまりないこと、そしてどの資格が対象になるかどうかは運任せな感じが、この制度の落とし穴にあげられます。

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上原由佳子

1988年生まれ。沖縄県在住。シングルマザー女子大生。女子力の欠片もなさを小学1年生の娘ちゃんから指摘される、どうしようもない系アラサー女子。

@yu756ka

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