今井絵理子は特別なケースじゃない
彼氏いない歴3年目の上原からすると、どんな経歴であれ、自分と子供に害がなければ、シングルマザーに彼氏がいるだけで羨ましいです。つい最近、先輩に「だれか紹介して!! 出逢いが欲しいの!!」と電話してみたら、「うーん。オレの身の周りが、どんな感じか想像つくでしょ?」「……闇金とか、風俗系でしょうね」「分かってるじゃん!!(笑)」という残念極まりない会話で、上原の恋活は始まりさえしませんでした。泣きたい。でもまあ、それが現実です。
上原の場合は、飲み会(合コン)に声をかけられたら、どんな人が来るのかあらかじめ聞いて、参加するかしないかを決めています。「そんなの当たり前だろう」と思われるかもしれませんが、「イケメンかどうか」とかを聞いているわけではありませんよ(笑)。また、上原が大学生になってからは、昔から付き合いのある先輩達が「上原にはクリーンな人じゃないと紹介できない」と気を使ってくれるようになりました。だから今は、逮捕歴があるとか、前科がある人と出会うこともなく平和に過ごしてします。
でも、こうやってかなり意識的に、関わらないように、出会わないようにしなくてはいけない時期があったくらい身近に“そんな人”達がいたってことなんです。
それから芸能人やタレント、アーティストとの距離感も近いのが沖縄の特徴だと思います。
なんせ芸能人の話題になると「あにゃー(あいつ)、しぃじゃーむにぃあらいばーよ!!(先輩風吹かせてきてウザいんだよ)」「あいつ、ちゅーばーむにぃして(強がって)るんだはずよ(笑)」「昔は悪い事していたけど、今は本当に頑張ってる」という会話ばっかり。悪口だって、良い話だって、一般人への扱いと何も変わらない(笑)。
つまり、今井さんの「芸能人」という属性はそんなに特別なことでもないし、彼氏に逮捕歴があったことだって、よくあることだったりする。今井さんは珍しい人でもなくて、「沖縄出身のシングルマザー」の側面を持っている、そこらへんの人とあまり変わらない、と上原には感じられます。
精液と消毒液とタバコの匂いが染み付いた女の子達
ところで、一連の今井さん叩きを見ていると、あまり良い気持ちにはなりません。今井さんが出馬表明をした後に、自民党から出馬することに対しての「出馬撤回署名」が行われていますが、今回の報道が「出馬撤回」に署名する動機になった人も少なからずいるでしょう。
「自民党からの出馬」に対する批判はさておき、今井さん自身が18歳未満の女の子を雇って、風俗店を経営していたわけではありません。だから、一連の報道が今井さん叩きに使われるのは、筋違いだと思います。それに、社会が今井さんを叩き続けることで、今井さんとお子さんの、実生活に悪い影響が出るのであれば、考えものです。
ただ、上原が個人的に、残念に思っているのは……。
「沖縄出身で、聴覚障がいを持つ、シングルマザー」という、当事者性を前面に出しているにもかかわらず、彼氏のお店で働いていたような沖縄の女の子たちという存在と真摯に向き合う気はないのかな? と、感じてしまうことです。
「スポニチ」によれば、今井さんは彼氏から、経営していたのは「キャバクラ店」だと説明されていたそうです。「キャバクラ」だろうが、「ピンサロ」だろうが、18歳未満の女の子を雇うのはアウトだと思うのですが……。18歳未満の女の子が働いている状況がおかしいですし、そこを見なかったことにされるのは悲しいです。
上原は「いつかどこかで書けたらいいな♪」くらいの気持ちで、18歳未満でピンサロに勤めていた女の子と4年ほどかかわり続け、話を聞いています。また、今回の報道があった後には、風俗店の関係者の方からも、「当時、お店で働いていた(18歳未満の)女の子たちの家庭環境」について話を伺うことが出来ました。その中で、見えてきたのは“貧困問題”でした。
今井さんの彼氏のお店で働いていた18歳未満の女の子達の家庭環境は、決して良いとは言えないものでした。上原もシングルマザーなので、自ら誤解を生まないように慎重な表現を使わないといけませんが、「ひとり親家庭の子供が多かった」とのことです。女の子のうち数名は、保護者に「スナック(キャバクラ)で働いている」と説明していたそうです。本当はピンサロなんだけど……。
沖縄では、田舎のスナックであれば18歳未満の女の子(中学生含む)を雇うお店があります。でも、それでも、お金が足りないから性風俗店に流れてくるんです。そして、自分で稼いだお金を、親に渡している女の子達がいます。
ちょっぴり過激な言い方をすると「18歳未満の子供が夜の仕事をすることに対して、親の理解がある」んです。「え!? どういうこと!?」と、混乱するかもしれないけど、そのままの意味。親に経済力が無いから、子供が働いてくれると少しだけ生活が楽になりますよね。