「小さなケンカはしょっちゅう。大きなケンカをすると旦那さんは3~4日、家出する」
「(小さな不満は)いっぱいある。ゴミを捨てない、脱いだものがソファの隙間から出てくるとか。だから、溜めずに言います」
など、トラブルもあるようだが、それでもお互いの好き度がまったく下がらないのでトラブルが深刻化しないのだろうか? 昨年8月に第二子を出産したばかりで、まもなく4歳になる長男の世話をしつつ、自撮りやLINEで些細な会話をする余裕があるミキティがすごい。筆者は正直、雑談のような内容を誰かに連絡するヒマがあったら、仮眠の時間にあてたいと思うほど疲れやすく、一人世話するだけで体力を消耗しているが、ミキティはアイドルとして揉まれてきたせいか、体力も精神力も並ではなさそう。また、子育てや夫との関係における発言もプロ意識が高くて、別次元の話のようだ。何度も言うがトーク内容で「真似したい!」「これは使えそう」みたいなワザやミキティなりの工夫は全然なく、自分の子育てに全く参考にならなかった。
おそらくミキティは、共感系ママタレでも、憧れ系ママタレでもなく、あくまでもママアイドルなのだ。会場にいるママ達に同じママとしての顔を見せるべく敢えて失敗談やしんどい話をするのではなく、おしどり夫婦の妻であり元アイドルであるというイメージを崩さないようハッピーな話題に終始した。今回は司会の菅谷アナウンサーも子を持つ父親であり、彼の方が子育てにおける不満やあるあるネタを多く語りまくっていた。そっちに共感しそうになった。
そんなミキティの一時間トークショーだったが、これまでのゲストと大きく異なったのは“手料理の写真をスクリーンに映し出さなかった”こと。料理についての話も出なかった。二児ともに離乳食の時期ではないからか? さらにもちろん、“3億円御殿”と呼ばれる(実際には3億円ではなく1億5000万円ほどであると当人らは語っているが)新居についての話も、この新居のローン返済のためにヨガインストラクターとしての資格を活かしてヨガスタジオ開設に動いている……という話も一切なし。トークは言葉に詰まることなくスラスラペラペラとこなれた感じだったが、何を話し、何を話さないかの線引きはあらかじめきっちり引かれていたような印象を受けた。さすがプロ。炎上のタネになりそうな事柄は議題にしない姿勢を徹底している。
ブログでは頻度は低いが不定期に手料理の写真をUPしている。メニュー接写のスタイルが多いが、全体のレイアウトがわかる写真から察するに、盛りつけ・並べ方・食器のセンス等は可もなく不可もなく。料理本を出すレベルでもないし、フードコーディネートに興味があるわけでもなさそうだ。子供の弁当もキャラ弁とは程遠くサラリーマンの弁当のように地味であり、日々の食事も同様に、オシャレママ感を演出しようとしていない。そこが彼女の良いところなのだと思う。オシャレママとしての土俵に上がろうとしていないためか、藤本は料理写真で炎上したことがない。
グループアイドル時代の様子から察するに、性格は気が強く負けず嫌いなタイプであろうが、ママタレというフィールドにおいては決してマウンティングに出ないのだ。私服も、ハイブランドよりプチプラ多めのコーデが圧倒的多数。ミキティは「オシャレ上手」とか「料理上手」とか、抜きん出た要素がなく、全体的に無難で、だからこそ安定して庶民向けママタレ枠に座していられるのかもしれない。ハッピーオーラはあるのに気取って見せない、このさじ加減。絶妙なバランス感覚で炎上を逃れ、スイスイと芸能界を泳いでいくミキティは、今でもやっぱりアイドル(偶像)なのだなと痛感した。
(ママイベントウォッチャー京子)
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