さぁ、まともなイケメンとお話するぞう! と意気込んでいる私を置いてお手洗いに行くMちゃん。彼女はお昼にTinderで知り合ったロボット研究家と会っており、お互いコミュ障すぎて会話が弾まずお茶を飲みすぎたらしいです。すると……ひとりぼっちになったのに容赦なくまたロックオンしてくる男性が!
いやいや、ちょっと待ってほしい!
まず女同士で打ち合わせがしたい!
クラブにしてもバーにしても女友達と出会い待ちをする時は、事前に設定の打ち合わせしますよね!? 別に男の人を騙したいわけではありません。会話をスムーズに進めたり、面倒くさそうな相手をさっさと巻く時などに、ちょっとした嘘は必要じゃないですか。そのための「設定の事前打ち合わせ」ですよ!
・職業や住んでいるところなど偽る際の口裏合わせ
・相手を気に入った時のサイン
・もうこの相手と喋りたくない時のサイン
とりあえず今回私はサバを読むことを決めました。若く見られたいわけじゃない! Mちゃんと年が離れすぎているので、そこを突っ込まれて無駄話に時間を取られないためである! その代わり相手を気に入った場合は実年齢を言う。それがサインということにしました。会話切り上げの基本主導権は私で、Mちゃんはどうしても無理な相手の場合は「おなか痛い」と言うことで決定。
さて、それを踏まえて次々やってくる男性たちとお喋りします。
男「女子大生? え、二人ともいくつ?」
私「こっちは二十歳で、私は24歳」(弟の歳だから西暦も干支も言える)
男「年違うんだ~。何繋がり?」
私「西新宿のパン屋の元バイト仲間で」(本当は歌舞伎町のスナック)
男「え? 何てとこ?」
私「いや~もう潰れちゃって」(常套手段)
男「でもパン屋って朝早くない?」
私「まぁシフトによるかな?」(知るか)
男「てか名前は?」
M「まりなです」(突然の偽名)
私「みほです」(考えてなかった)
Mちゃんの突然の偽名にはびっくりして吹き出しそうになりましたが、こんな感じで声をかけてくる男性たちとお話していました。
それにしても、レポートのためにお店の情報を聞こうと男性に質問しても「初めて来た」と言われて(きっと嘘)話が進まない……。そこでカウンターでひとり飲んでいた常連の女性にいろいろ聞いてみました。
・有楽町店は垢ぬけている女の子が多くて、8丁目店はここより狭い
・ピークは20時~23時頃(20時から店内が暗くなる)
・終電がなくなると帰る人が多い
・滞在時間は平均1時間くらい
・長い人はオープンラストでいる
・ナンパされたくない時はカウンターにいれば大丈夫
「いい人見つけた?」とお姉さんに聞かれ、「人多いし暗いし全然ここで出会える気がしません!」と泣きつくと「頻繁に入口をチェックして、タイプの人が入ってきたら目をつけておくのがコツだよ」と指南していただきました。
なるほど! ありがとうございます! と、さっそく入口を見つめてみるものの、横から遮ってくる男、ロックオンして来る男、後ろから声をかけてくる男、男、男、男……
ダメだ、人酔いしてきた……。滞在時間1時間半ほどで外に出ました。