主催者のHPを見ると、この教室のごはんを実践した人たちからは〈肌荒れやくすみ改善、アトピー性皮膚炎、花粉症、潰瘍性大腸炎などの改善・快癒、不妊症からの出産、無月経からの通経、癌の改善〉などが報告されているそう。
また、冷凍と電子レンジ、このふたつを使っている家庭には、明らかに〈アトピー性皮膚炎など体の弱い子が多い〉のだと、世の母親へもピンポイントで呪いをぶんなげてきます。どちらも一般的な家庭にはほぼ必ずある家電なのだから、〈アトピーの子の親は、必ず洗濯機で洗濯している〉と言われて該当するのと、変わらなくありませんかね。
「昔」というふわ〜っとしたイメージ
講習終盤、料理ができあがってくると、室内にふんわりといい香りが立ち込めてきます。
主催者「今の日本の家庭からは、こういうニオイは消えちゃったからね!
ちなみに主催者よりちょい年上であるうちの祖母がこれを聞いたらなんと思うでしょう。祖母の両親はともに忙しく働いていたので食事はたいそうシンプルだったそうで、こんな具だくさんなごはんはまず口にできていません。それを昔の家庭のニオイと言われても~と思うでしょう(そしてかなり食に無頓着だけど、90過ぎても超元気です)。
そのように家庭の味なんてそれぞれですし、自分の家庭を引き合いに「〈現代〉は嘆かわしい!」と憤慨されても。それに体格、初潮の早さ、寿命などから見ても、現代人は栄養不足とはとても思えず、昔は病気になっても疾患が特定できなかったりしただけじゃないんでしょうか。
肝心の料理教師の料理そのものは、感動的に美味しいメニューもありつつ、どれもとにかくかみごたえ抜群、食物繊維どーーーっさり。
講師「こういうごはんなら、いくらたべても太らないんですよ」
そりゃそうだ、ゴロッゴロに切った野菜に、茶碗の半分は極太ひじきじゃなかろうかという混ぜごはん。かみごたえありすぎて、茶碗半分で満腹です。しかしこれを毎食食べている人は、消化力もあごの力も強靭になりそう。健康的であることは間違いないけれど、精神的に健全とは思えない料理教室でありました。料理は純粋に「美味しい! 楽しい!」だけで食べたいです。
(謎物件ウォッチャー・山田ノジル)