ウグイス嬢がかわいい事務所は悪どい?
特に杉村先生が自分の選挙の時にこだわっていたのが、「ウグイス嬢」であった。一人一日、15,000円までと費用が決まっているそうで、中でも「必勝ウグイス嬢」と呼ばれる人気ウグイス嬢がいたのだとか。めちゃくちゃアナウンスが上手いそうで、朝8時~夜8時までの選挙運動の時間内で、ぶっ通しでしゃべり続けていたらしい。ここで、杉村先生の持論が炸裂し始めた。
「ウグイス嬢がカワイイ候補者の事務所、これは信用できない!」
「何やってるか分からない、裏で!」
と言い切った。「なんで~!?」と澤部君が不思議がり、林君も笑い出した。テロップも「杉村先生の個人的な意見です!」と大きな矢印で杉村先生を指していた。しかし興奮している杉村先生は「僕の四年間の永田町の生活の中で、これだけは断言できる!」と自信満々。林君に「次の選挙は考えてないんですか?」と質問されると、下を向きながら「考えてたらこんなこと言うわけないじゃん!」と、しれっと答え、スタジオは大ウケで、澤部君も「もう、(選挙は)捨ててるんですね!」と薄笑いして納得していた。
最初のお金の講義が終わったところで副担任役の宇佐美佑果アナに講義の感想を聞かれた林君は、「(選挙は)思った以上にお金がかかるってことと、思った以上に(杉村先生が)キチンと選挙されてたんだなってことなんだな(ということが分かった)」と感心していた。
二番目のポイント「立候補するにはこんなに大変!」の講義の時に、杉村先生が衆議院議員に当選した時の反響はどうだったか聞いてみると、すごい苦情が自民党に来たらしい。杉村先生は「立党50年の中で、森さん(元総理)が支持率5%以下の時よりも、竹下さん(元総理)が消費税導入した時よりも、杉村太蔵の当選のほうが苦情が多かった!」と目をひんむいて力説していた。そんな切ないエピソードにスタジオは爆笑だった。これは、杉村先生が選挙話をする時の鉄板ネタっぽいと見たぞ~。
三番目のポイント「選挙運動はこんなに大変!」では、勝敗を左右する選挙演説について、有権者の心を掴むためのテクニックを教えてくれることになった。杉村先生が当時出馬したのは比例区であったため、選挙演説は選挙区と違って広いエリアに訴えかけなければならなかったそうだ。そのため、「なるべく一カ所で、多くの人が集まり、かつ多方面に散らばる場所」のが効率良いとのこと。駅で言うとどこかを林君に質問し「新宿、池袋」と答えが返ってくると、杉村先生は「池袋はいいです!」「なぜなら、池袋で演説すると(有権者)は埼玉まで行くでしょ!」とまたもや独自の持論をアツく展開。澤部君もそれに乗っかり「確かに、池袋にいる人はほとんど埼玉県民ですよね!(ほんとかよ!?)」と応戦。さらに「同じ理屈で行くと秋葉原とかね、千葉・茨城まで行くでしょ!」と、なんとなく、なるほどなと思わされてしまった。沿線的にその可能性は高いもんな~。
だが、人が多く集まるとは言え、渋谷はダメらしい。選挙権を持っていない未成年が多いため、演説場所から外す人が多いそうだ。反対に、有権者率と投票率が高いところは「巣鴨と浅草」だとか。「やっぱり選挙は高齢者! ここを制すのが重要です!」と断言していた。当時落選してしまった選挙を分析し、20代の若者は杉村先生に面白がって票を入れた人がいたかもしれないが、高齢者からの票はほとんど得られなかったということが身に染みたのだろうか……。
やっぱ握手は大事なんです
また、杉村先生はもう一つ大事なことがあると、選挙運動時の「握手」についての解説をしていた。なんでも、有権者である男性と女性に対して、握手の仕方が違うという。男性の場合は握手をしたら、その手を自分の方に引き込むらしい。女性の場合は反対に握手した手を女性側に押すそうだ。その方が、握手された側は印象に残るとのこと。心理学的なものがあると思って当時の選挙運動の時に実践していた杉村流握手テクニックだそうだ。
実際にスタジオで宇佐美アナにも試してみたのだが、男性バージョンで手を引いてみると「怖いですね、引っ張られると」と恐怖感を感じ、女性バージョンで押してみると「安心します」との好印象の感想だった。確かに、選挙候補者と分かっていても、初めて握手する男性に手を引き込まれるのって、やや恐怖を感じるかもしれない。杉村先生、一応ちゃんと心理学的なことも考えて選挙運動していたんだと、ちょっと感心した。
最後に講義のオマケで、杉村先生の独断と偏見による「こんな候補者は信用できない!」というコントネタみたいのをやってて面白かった。
「選挙になると商店街に行ってコロッケ食うヤツ(候補者)」→「そういう候補者に限って当選したら料亭に行く」
「選挙になったら自転車に乗るヤツ(候補者)」→「そういうヤツ(候補者)に限って当選したら黒塗り(高級車)で来る」
あくまでも「杉村先生の個人的な意見です!」と、でっかいテロップを出してクレームが番組に来ないようにエスケープ処理する番組スタッフの必死さ!
とどめに、「選挙の演説中に泣くヤツ(候補者)」に対しては「泣きながら一票お願いする候補者って、どこまで保身?」「冗談じゃないよ!」と、一番ご立腹だった。杉村先生はそういった一連のことを選挙中にやらなかったのかを聞かれると、「僕はそういうこと一切しなかった」「落選したけどね……、アッハッハッハッハ〜!」と最後は今までのアツい講義に説得力が無くなるような、軽過ぎる感じで終わらせていた。さすが、太蔵……。やっぱ、太蔵……。
でも、なんだかんだで楽しく選挙について学べた気がする。池上彰とはまた違った視点(だいぶ偏った視点)で選挙を解説することによって、番組を見ていた若者が選挙に興味を持ち投票率を上げることに貢献できたりしたら、なんとも有意義な講義であったと言えるだろう。とりあえず、今後の選挙に関しては、急に商店街でコロッケを食べ始める候補者に対しては、気を付けてみようと思うのであった。
■テレ川ビノ子 / テレビが大好き過ぎて、頼まれてもいないのに勝手にテレビを全般的に応援しています。見たいテレビが多過ぎて録画番組は基本「早見早聞き1.5倍速再生」です(アナログ時代は2倍速再生も可)。録画し過ぎてHDDの容量が常に足りなくなるのが悩みです。
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