主語を「女は」にして良いのか
柴田「去年、『SAPIO』(小学館)に、女性保守論客の金美齢が『女は抑圧されてなんかいないけど、でも子育てをしない女はわがままだ』と書いたことも話題になりました」
うさぎ「抑圧してんじゃん(爆笑)! 私の実感としてはだけど、男の人は今、そういう発言に慎重なんじゃないかと思うんだよね。女性差別だなんだってなるから。逆に、女の人のほうが『産め』って言いやすいんじゃないかと思う。まあ私もいろいろ(批判的なことを)言われてるのかもしれないけど、ネット見ないから世の中で怒られてるっていわれても知らないんだよね。2ちゃんねるとか見ないから炎上って言われても知らないんだけどさ」
柴田「結構荒れていますよ。私はうさぎさんが『週刊文春』(文藝春秋)で連載していた『さすらいの女王』が大好きでした。10年前のことですが、閉経してスッキリした~ということを書かれていたら、その発言が、マッド高梨さんとのブログのコメントか2ちゃんねるのスレッドかは忘れたんですけど、どちらかで『本当は子供を産みたかったけど産めなかったから負け惜しみだ』と批判されていたので、私はすごくびっくりして。うさぎさんはいろんなところで子供欲しくないと話している人で、<HKB48>とかふざけてやったりもしているくらい、こんなにすっきり閉経を楽しんでいるのに、そんなふうに見て見下したい脳みそ変換能力すごいなって」
うさぎ「女の人は自然に子供を産みたがっているものだと思い込みたい人は確かにいると思うんですよ。私も以前、友人の女性漫画家と飲んでて、その人は子供がいるんだけど、私が『子供とか本当欲しいと思ったことないし』と言ったら、『なんでそんな肩肘張るの?』と返されて(笑)、えっ、肩肘? とびっくりした。彼女が言うには『だって女の人って、男の遺伝子が欲しいからセックスするんでしょ』と。いやいや彼女はそうなのかもしれないけど、そういう人がいるのはわかるよ、でも私は違うから。彼女はそういうふうに思ってしてるんだなということだよね。これ言うと内田春菊さんですかって言われるんだけど、春菊さんじゃないし、じゃあ倉田真由美かってきかれるけど違うし、西原理恵子だよ!(笑)」
一同笑
うさぎ「まあ西原さんは西原さんで、子供が産まれて良かったって心の底から思ってて、子供がいる人生を肯定的にとらえているから、私を抑圧する気なんて全然なくて、『だって女の人ってそういうもんじゃないの、私はそうだよ』ってだけなんですよ。だから悪気はないんだけど。でもセックスするたび妊娠しようと考えてたのかと思うとさ。私は逆で、セックスするたびにあー妊娠してたらどうしようって気に止む若い時期があったので。だから、わがままとかさ、肩肘張ってるとか、(産みたがらない女は)思われやすいのかも、そういう人からは」