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「エロ目的じゃなければセクハラではない」は通用しない! 観客のジェンダー観をあぶり出すヤバい会話劇・田中哲司&志田未来『オレアナ』

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 こんにちは、桃山商事の清田です。セクハラというのは、我々男性にとって語りづらいテーマのひとつだと感じています。もちろん、恋人や友人がセクハラ被害に遭えば怒りを覚えるし、例えばバラエティ番組などでセクハラまがいのシーンを目の当たりにし、嫌な気分になることもしばしばです。

 しかしその一方で、「もしかしたら自分も知らない内にやっているのではないか……」という気持ちもわき起こります。あからさまな性的嫌がらせではなかったとしても、自分の何気ない言動が女性にセクハラと映っている可能性は否定できないからです。「自分は違う」と思いたいけど……実際そういう気分にさせてしまったことは一度や二度ではないはず。それが語りづらさのゆえんです。

 現在パルコ劇場で公演中の舞台『オレアナ』は、コピーにもある通り「セクハラ」が主題のひとつになっている翻訳劇です。そこでは何が描かれているのか? 田中哲司&志田未来という実力派俳優の二人芝居で話題となっている本作を、さっそく観に行ってきました。

大学教師のジョンと、単位のことで悩む女子大生のキャロル

 物語の舞台は大学教師・ジョン(田中)の研究室。そこへある日、講義が理解できないと悩む女子大生のキャロル(志田)が訪れます。「このままでは単位を落としてしまう!」とパニックになり、その救済措置をジョンに求めるキャロル。しかし、二人の関係はどんどんこじれていき、結果的にセクハラ事件にまで発展してしまいます。

 こう聞くと、「教授が研究室で女子学生に性的な行為を強要した」といった類のセクハラを思い浮かべるかもしれません。事実、そういった事件は現実に数多く起こっています。つい最近も、11月10日に、東京藝術大学で50代の男性教授が女子学生の胸を触ったとして停職処分を受けたことが報じられました。

 しかし、『オレアナ』で描かれるのはもっと複雑でわかりづらい事例です。ジョンとキャロルの言い分は完全に食い違っているし、観る人によっては「むしろジョンが被害者」という捉え方をするかもしれません(ジョンはキャロルの胸を触ったわけではないので)。

 ジョンとキャロルの関係性は、本作の社会的背景を頭に入れておくとよりクリアに見えてきます。舞台は「4割しか卒業できない」と言われるアメリカの大学です。成績の評価システムは日本より格段に厳しく、単位を落とせば退学の勧告が出されます。キャロルが切羽詰まっているのはこのためです。

 また、一方の教師サイドもシビアな評価制度に置かれています。一定の研究能力が認められ、大学から「終身在職権」が与えられて初めて安定した身分が得られるという仕組みになっているのですが、ジョンは間もなく終身在職権が認められるというポジションにいて、これを機に家の購入を決めたばかり。

 こういった状況下で、キャロルは必死に救済措置を求め、ジョンも何とかそれに応じようとしています。しかし、二人の間には小さなすれ違いがどんどん積み重なっていき、やがて決定的な亀裂へと発展していく……。なぜ、そうなってしまったのでしょうか。

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桃山商事

二軍男子で構成された恋バナ収集ユニット「桃山商事」。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける恋愛の総合商社。男女のすれ違いを考える恋バナポッドキャスト『二軍ラジオ』も更新中。コンセプトは“オトコ版 SEX AND THE CITY”。著書『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)が発売中。

@momoyama_radio

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