この親近感のなさが災いしてか、大型新人としてはそれなりの成功を収めたものの、この時点ではブレイクにいたりません。そんな12コの“彗星”が地球にぐぐっと急接近する瞬間がこの夏、ついに訪れたのです。
キャラ変して、ついに確変!
デビューから1年以上も経過した今年5月、彼らはなんとオオカミに変身して、地上に降り立ったのです。ジャジャ~ン! 歓喜のシングル第2弾「Wolf」は、人間の少女に恋したオオカミの歌。崇高な「MAMA」の呪縛から解かれたかのように、オオカミ目線で恋の戸惑いを吠え、ダンスの振付もドヤ顔の表情もそれは見事なオオカミっぷり。宇宙の彼方から、いきなり地べたへ。そんなに下りてきてくれちゃっていいの?と心配になるほどですが、きっと地球人の目線に合わせるために、四つん這いのオオカミになってくれたんですよね!
躍動感にあふれたミュージカルのような仕上がりに度肝を抜かれる「Wolf」(冒頭の12人から成る「木」のポーズは必見。学芸会を思い出します)が大ヒットし、音楽番組で初の1位をゲット。泣きながら喜ぶ初々しい姿からは、だいぶ地球になじんだことが感じとれました。
彼らの快進撃はさらに続き、「Wolf」を収録した1stフルアルバム『XOXO』は各音楽チャートで1位を席巻。そしてオオカミ設定はそのままに、間髪入れずに次のシングル「Growl」を7月末に発表しました。360度自在に動きまわるカメラワークが印象的なMVで、メンバーたちは学校の制服を着用し、ツンデレドラマの主人公のように「ケガしても知らないぜ」とうそぶくのです。当然、この「Growl」も音楽番組で1位を独占しました。
バラエティやトーク番組、ラジオなどにも積極的に出演するようになったのも、このころです。デビューしてしばらくは神秘性をキープするために、メンバーの素が垣間見える番組は封印していたと思われます。司会から「超能力やってみせてくださいよ~」とからかわれ、照れながらそれに応じるメンバーにファンは激萌え!! 神秘のベールに包まれていた個々のキャラクターが徐々にバレてゆくにつれ、人気も右肩上がりに急上昇しました。こうしたEXOの“地球庶民化”が功を奏し、『XOXO』は発売3カ月で70万枚のセールスを達成しちゃったのです(リパッケージ盤も含む)。これ、韓国では実に12年ぶりの快挙なんだとか。
恋するオオカミ少年になって駆け抜けたEXOの夏。その熱狂はまったく収まる気配を見せません。もはや当初の超能力や宇宙人コンセプトは完全崩壊? いいの、それでも! 結果オーライだから問題なっしんぐ~。
と思っていたら、やはりSMはぬかりがない。オオカミ少年の学園ドラマ仕立てのMVが最近、2編公開されました。小栗旬主演でヒットし、韓国人も大好きな映画『クローズZERO』風味の仕上がりなんですが、ここでなんとデビュー時に刻印された超能力のシンボルマークが再登場! ふたりのメンバーの手にキランと光るので要チェックです!
……てことは、やっぱり彼らは超能力を備えた宇宙人で、おまけにオオカミ族の末裔かなんかですか? 再び煙に包まれるEXOの正体、きっちり見届けなくては!
今週の当番=風田チヌ
韓流業界のすみっこに生息して8年あまり。EXOメンバーのオオカミ“なりきり度”を比較するのがひそかな楽しみ。アイドルがステージで一番必要なものはやっぱ演技力よねと実感中。
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