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「非正規雇用の多くが女性」は世界共通 止められない非正規化を乗り越えるヒントはオランダのパートタイム経済

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Photo by Ed Yourdon from Flickr

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先週は、女性が家事や子育てのために20代、30代で仕事を辞め、それがひと段落したらようやく仕事に戻る状況をグラフにすると現れる「女性のM字型労働力率」についてお話をしました。そして、女性が自ら望んで専業主婦を選ぶのではなく、就労や育児環境が整っていないために専業主婦を選ばされている状況があることを示しました。

専業主婦という生き方を選ぶのはなぜか? 結婚・出産・育児で仕事をやめる女性たち

今回は女性の多くが就いている「非正規雇用」について考えてみたいと思います。

女性の多くが非正規雇用であることは世界共通

始めに正社員男女の賃金格差はどれくらいあるのかを国別に見てみましょう。

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本来であれば、何年生まれかということまで考慮して、その世代が年齢とともに変化していく中での就業率を示すべきなのですが、「今の20代、30代の女性が働いているのかどうか」に注目するため、ここでは今現在の年齢別就業率を出しています。

日本は主婦パートなどを含む女性非正規雇用就業率が増加したことによって、20代30代でも働く女性は増えていますが、20代30代の女性就業率は各国に比べかなり低い水準にあります。

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一方、世界的に女性の非正規労働者の多さが目立ちます。正規・非正規の分け方は国によって異なり、その社会的地位も異なること、またデータを公開していない国などもあり単純比較はできませんが、すべての国において働き盛りの世代で非正規雇用の多くを女性が占めています。

非正規雇用には問題もありますが、絶対悪というわけでも、全ての労働者が正規雇用であるべきだというわけでもありません。たとえば、オランダはパートタイム労働者の占める割合が非常に高く、世界で唯一のパートタイム経済と呼ばれています。オランダでは男女共にいわゆる「正社員」ではない形態で働いている人の割合が高く、非正規雇用で働く人の割合は8割にもなり、もはや「非正規」とはみなされていません。

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古谷有希子

ジョージメイソン大学社会学研究科 博士課程。東京大学社会科学研究所 客員研究員。大学院修了後、ビジネスコーチとして日本でマネジメントコンサルティングに従事したのち、渡米。公共政策大学院、シンクタンクでのインターンなどを経て、現在は日本・アメリカで高校生・若者の就職問題の研究に従事する傍ら、NPOへのアドバイザリーも行う。社会政策、教育政策、教育のグローバリゼーションを専門とする。

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