「あなたの子宮の色は、何色でしょうか」
いきなりの珍クエスチョンにお次は脳内で「てめえらの血は何色だ!」が再生されてしまいました。元ネタである北斗の拳ではそう問われた兵士たちの血は当然〈赤〉でありますが、邪道なことをしている自覚があると、ギクっとくる何かがあるのでしょうか。とはいえ、子宮は筋肉の固まりなんだから、ピンクじゃないの?
「色が思い浮かんだら、今度は子宮の重さを感じてみましょう。今あなたが感じる重さを感じてみてください」
昔国際フォーラムで開催されていた「人体の不思議展」で、脳の重さを体験できる展示ってあったなあ。はいすみません、子宮のお話でしたね。妊婦期に何かで読んだ記憶によると確か40g程度であったと思うので、卵のSサイズくらい? って考えるのは、子宮教がいうところの〈頭で考えてばかりで感覚を大切にしていない〉ってヤツかしらあ。
「今度は、子宮の温かさ、冷たさはどうでしょうか。子宮の温度を感じてみましょう。暖かいのか、ぬるいのか、冷たいのか、どれくらいの温度なのか具体的に感じてみましょう」
子宮温暖化計画!とかの物語が大好きな人は、〈私の子宮は冷えている〉とすりこまれているので「ひんやり、つめたい」と感じるのかもしれません。
「触ってみたらどんな感触でしょうか。それでは香りを嗅いでみましょう。もし香りを嗅ぐことができるとしたら、どんな香りでしょう?」
あらら、ちょっとグロくなってきましたよ?
「イメージの中で、子宮をなめてみてもいいですし、かじっても、食べてみてもいいです。どんな味がするでしょうか。それではまた、あなたの子宮全体を感じてみてください。あなたの子宮さんの、今のご機嫌はいかがでしょうか」
まさかの展開で食われそうになった子宮様は「なにすんじゃい!」と荒ぶっていらっしゃるんじゃないですかね。
子宮との関係は、人間関係と同じ
「その子宮さんに向かって、今話しかけても大丈夫ですか? と問いかけてみてください。そして少しお話させてくださいねとお願いしてみましょう。それではあなたの子宮さんに、名前があるかどうか聞いてみてください」
名前を聞き出すとは、まるでエクソシスト……。
「そしてパッと浮かぶ名前があれば、その名前を憶えてあげましょう。あなたが、今子宮さんに聞いてみたいことはあるでしょうか。何かひとつ具体的に思い浮かべてください。問いかけたときの、子宮さんの感じは? 具体的にアドバイスがもらえそうだったら、もらってみてください」
吾輩は子宮である、名前はまだない。と、子宮小説が始まりそうな勢いです。彩氏曰く、名前にこだわる必要はないけれど、名前があると「仲良くなりやすいかもしれない」そうです。そして〈子宮が言いたい事〉がないかどうか、聞いてみるんだとか。声がわからなければ聞き方を変えてみたり、もっとつっこんだ質問をしてみることがレクチャーされていきますが、このプロセスには、まるで自己暗示であると言われている〈コックリさん〉が連想させられます。
「子宮さんを感じながら、今やりたいことはなんでしょうか? 具体的に感じてみてください」
寝たい、酒飲みたい。以上。多分コックリさんをやっても指が「ね む い」と動くような気がします。
「逆に今やりたくないことはないでしょうか」
確定申告、経費の精算。