アフターの惨劇
ある日、いつもK・Sとアフターに行く彼のお気に入りのホステスが店を休んでいたので、店のママが代わりに他の若いホステスの直子(仮名)をあてがい、アフターへ行った。K・Sが直子を連れて行ったのは、行きつけの完全個室オイルマッサージ店。溶岩浴が出来る設備もある。室内に内線電話が設置されており、それを使わないとマッサージ師は部屋に入ってこない。完全に密室である。その上オイルマッサージなので上半身は裸、下半身は紙パンツ一枚にならなくてはならない。
それを知らない直子は、K・Sとカップル用の個室に入り、唖然とした。なんたって、キングベッドや大きなお風呂までついているんだもの。マッサージが付くだけでラブホテルと変わらない。暗黙の了解で何でもアリよ、マッサージ店という名目で何かが確実にアリアリよ!!
身の危険を感じ躊躇う直子に、K・Sは「かなちゃんや、ゆみちゃんとも来たことがある」と店の先輩ホステスの名前を挙げ、平然と服を脱いだ。店の中でキスをしてくる客も居るのだし、マッサージ店だし、店で露出の高いドレスを着ているし、先輩もここに来ているし、まさか芸能人が妙なことを強要するはずはない……と、直子も意を決し服を脱ぎ、バスタオルを巻いた。
まず室内に設置されている溶岩浴に入った。5分も経たないうちに、K・Sは立ち上がり、自分のアソコを直子の目の前に持って行った。呆気に取られている直子の口元にアソコを当て、「舐めろ」と言い放った。
K・Sはママの大事なお客様だ。失礼のないように、笑顔で「やだ~、暑くなって酔いが回っちゃいましたか?」とかわそうとしても、K・Sは微動だにせず「舐めなさい」と続けた。
高級クラブにも、枕営業、特攻隊と呼ばれるホステスがいる。営業をしても指名が取れない、同伴ができない、どの担当にとっても「使えないヘルプ」はクビになるか、自分の客と寝る「枕営業」をさせるように仕向ける。身体を使う接待ができるホステスたちを、特攻隊と呼ぶ。自分の売り上げのために太客に身体を捧げるのはキャバクラでもよく聞く話だが、クラブでは担当が他のホステスを客に斡旋することも……。枕営業で客がヘルプに入れ込んだり付き合っていると勘違いして、来店頻度が上がるなんてことが有り得るのよ。結果、一番得をするのはタイミングやヤれそうなホステスを見極められる「担当」ということ。全く、汚い世界よね~。
話を戻そう。あまりの剣幕に圧倒されて、直子はK・Sのアソコに唇を近づけた。すると、髪の毛を掴まれ、強引に根本まで咥えさせられた。直子は枕営業をするようなホステスではなく、彼女たちのことを軽蔑さえしていた。純粋でプライドのある仕事ぶりに私も一目置いている子だったわ。当然、これを拒んだ。
K・Sの手から逃れると、直子は泣きながら膝をついて謝り続けた。みんなここまでしているのかとショックを受けた。客に強引に口説かれたり、胸や太ももを触られたりしても、ここまでされることは普通ない。これは特攻隊の仕事だ。
気まずい沈黙の中、K・Sは溶岩浴を出た。二人とも汗だくだった。K・Sは10万円の札束を5個財布から出し、「店の人間はもちろん誰にも言わないように。君にホステスは向いてない。今日で店を辞めなさい。もし店で見かけたらクビにしろとママに言うから。いいね」と念を押すと、50万円の束を直子のバッグに突っ込んだ。K・Sは光の速さで服を着て部屋を去って行った。