ライフ

大災害で後回しにされがちな問題 「みんなで我慢」は性犯罪の温床になる

【この記事のキーワード】
Photo by Alyssa L. Miller from Flickr

Photo by Alyssa L. Miller from Flickr

前回からの続きを一旦休止して、今回は熊本地震を受けての記事にしたいと思います。

今回の地震のような大災害が発生すると、女性や子どもに対して性犯罪への注意喚起がネット上で多く見られるようになります。しかし災害が起こると犯罪は増えるのでしょうか? そして女性や子どもをターゲットにした性犯罪は増えるのでしょうか?

東日本大震災では「日本では震災時にも暴動が起こらなかった。素晴らしい」という賛辞が 多く見られました。確かに目立つような暴動は起こりませんでしたが、窃盗、性犯罪が増えたという声もネット上では多く見られました。

警察庁の統計によれば、震災が起こった2011年度の宮城県、岩手県、福島県の3件の犯罪数は総じて2010年よりも減っています。転出による人口移動(3県トータルで1%減)を考慮してもなお犯罪数は減少しています。一方で、窃盗・侵入盗は福島県では増加していました。

日本の犯罪件数は2000年代中盤からずっと減少傾向にあること、また日本の犯罪率がもともと低いことなども考えれば、数字だけを見て震災後の犯罪の増減を語ることは難しいと思いますが、それでもなお、「災害後に犯罪が増える」ということは、少なくともデータでは確認できないということはしっかりとお伝えしておきたいと思います。

1 2 3

古谷有希子

ジョージメイソン大学社会学研究科 博士課程。東京大学社会科学研究所 客員研究員。大学院修了後、ビジネスコーチとして日本でマネジメントコンサルティングに従事したのち、渡米。公共政策大学院、シンクタンクでのインターンなどを経て、現在は日本・アメリカで高校生・若者の就職問題の研究に従事する傍ら、NPOへのアドバイザリーも行う。社会政策、教育政策、教育のグローバリゼーションを専門とする。

[PR]
[PR]

messy新着記事一覧へ

災害支援手帖