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女性は「産む機械」でも「奴隷」でもない 戦前から続く都合のいい女性活用

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Photo by myjedilightsaber from Flickr

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前々回の続きで、日本でなぜ非正規雇用がとりわけ女性を中心に増大したのか考えていきたいと思います。

その前にこれまでの話を振り返ってみましょう。以前書いたように、非正規雇用は世界的に増大しており、その多くが女性だ、という傾向があります。ただし非正規雇用は必ずしも悪とは限りません。オランダのように、非正規雇用が働きやすさを実現している経済も存在しているのです。

それではなぜ、日本の非正規雇用は労働者にとって不利なものであり、そしてなぜ非正規雇用の多くが女性なのでしょうか?

前々回は、第二次世界大戦中に「軍隊化」された企業が、戦後もその性質を引き継いできたことを指摘しました。その上で、日本の労働組合が、労働者同士で結束し待遇改善のために雇用者と対立・協議するようなものではなく、会社内での待遇を改善することを目的とした企業内従業員組織となってしまい、社会全体を巻き込んだ運動を生み出せなかったことを説明しました。それが故に、日本の非正規雇用問題は改善されないままだったのです。

問題は「なぜ非正規雇用の多くが女性なのか」です。今回は、企業と政府が戦前から現在に至るまでいかに「女性を母として、そして生産力として都合よく利用してきたか」を紹介したいと思います。

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古谷有希子

ジョージメイソン大学社会学研究科 博士課程。東京大学社会科学研究所 客員研究員。大学院修了後、ビジネスコーチとして日本でマネジメントコンサルティングに従事したのち、渡米。公共政策大学院、シンクタンクでのインターンなどを経て、現在は日本・アメリカで高校生・若者の就職問題の研究に従事する傍ら、NPOへのアドバイザリーも行う。社会政策、教育政策、教育のグローバリゼーションを専門とする。

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