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男たちのセックス観が詰まった珍・文化遺産「昭和的バイブ」はどこへ行く?

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たとえば、こういうやつ。

 世にあまた売られているバイブレーターをカテゴライズする語として、私は「昭和的バイブ」という語をよく使います。個人的な造語で、広がっている感もぜんぜんないのですが(笑)。定義もかなりざっくりしていて、「男性視点で作られた、デザイン・構造ともに古臭いバイブ」といったところ。アダルトグッズのお店(ネットショップも)をのぞいたことのある方なら、「あ~、あんな感じのバイブね」とすぐに思い当たるでしょう。

 全体的に「強そう」なのが特徴です。個人的には、いちばん挿入しやすいカタチは「ペニス型」に尽きると思っています。古事記では、イザナミの「成り成りて成り合はざるところ」とイザナギの「成り成りて成り余あまれるところ」を合体させて日本という国ができたと記されていますが、そんな例を挙げるまでもなく男性の凸と女性の凹は合うようにできていて、それから遠く離れたカタチのものは挿入しにくいのが実情です。

女は男ナシでは気持ちよくなれない?

 でも形状がペニスに近いことと、見た目がペニスっぽいことは、まったく違います。バイブ=ペニスの代替品ではありません。「男がいなくて淋しいからバイブを使う」「ほんとは、バイブより俺のチンコのほうがいいんだろう」と思っている男性はいまだたくさんいて、さっさと絶滅することを祈るばかりです。彼らの脳内では「女性は男性ナシでは気持ちよくなれない」んですよね。

 でも、女性が自分で、自分のために気持ちよくなろうとするとき、ペニスのイメージがむしろジャマになることがあります。そこで、バイブでも「ペニスのカタチに近いけれど、それを想起させないもの」が求められ、欧米ブランドでは早くからそれが主流でしたが、いま国内ブランドでも増えています。

 一方、「強そう」路線の昭和的バイブも、ある意味、ペニスを思わせないフォルムです。奇怪なほどゴツゴツしていたり、ヘッド部分がやたらと大きかったり、まさに異形。

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これなんか、ボディにローターが埋まっています。

 バイブ=ペニスの代替品なんじゃないの? と思われるかもしれませんが、これはこれで意味があります。官能小説などではよく「いきり立った男根」という言い回しを目にしますが、そんな男性の願望が託されているように、私には見えるのです。怒張して通常よりも強く、たくましくなったペニスはイメージのなかで異形化し、それがバイブのデザインに反映されています。

 全体からチープ感がビシビシ放たれているのも、特徴のひとつ。実際、お値段はハイクオリティバイブを大きく下回りますが、私は「安い」ものは好きでも、「安っぽい」ものはパスしたい性分です。

 異形だわ安っぽいわで、女性の琴線に触れないどころかドン引きされる場合がほとんどです。不自然な形ゆえ挿入しにくい、挿入したとき痛いことも度々あります。にもかかわらず、いまだにこの手のバイブは多数販売されています。

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桃子

オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

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