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18歳未満の児童を性暴力被害から守るための両輪。長野県の条例骨子案を巡って

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Photo by Edgar Alfonseca from Flickr

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今年2月、長野県知事が条例制定に取り組む方針を示した「子供を性被害から守るための条例骨子案」。そのパブリックコメントの受付が4月25日に締め切られました。

「子供を性被害から守るための条例骨子案」とは、青少年の健全な育成を目的とした、いわゆる「青少年健全育成条例」のこと。長野県を除く46都道府県では、すでに同様の条例が施行されていたのですが、長野県はこれまでこうした条例を制定してきませんでした。

現行の法律には穴がある

18歳以下の「児童」の性被害については、現行の法律だけでは十分に対応できない場合があります。

例えば、刑法176条では「13歳未満の男女に対してわいせつな行為をした者は6カ月以上10年以下の懲役に処する」とありますが、13歳以上の男女に対しては、「暴行又は脅迫を用いて」わいせつな行為をした者という条件がつきます。つまりこの条文に則れば、13歳以上の男女が、暴行や脅迫などを用いず、双方の同意の上でわいせつな行為を行った場合には刑法176条を適用することができません。

一方で、児童福祉法第34条では児童(18歳未満)に「淫交をさせる行為」を禁じています。ただ、加害者が被害者と「淫交をする行為」において児童福祉法が適用されるには、加害者が被害者に影響力がある立場だったという条件が必要とされています。

この条件を明示した判例では、少女が15歳と知りながら性交をした男性について、児童福祉法違反で罪に問われるかが争われました。少女は男性の養女であり、被告人は養父である立場を積極的に利用して少女と性交を行ったという事実が認められ、児童福祉法34条1項6号の罪が成立しています。

つまり現行の法律では、被害者が13歳以上の場合、加害者に影響力が無く、脅迫や暴行とまでは言えない、欺きなどを用いてわいせつな行為に及んだケースは罪に問えない可能性があるのです。

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