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ブスネタは日本の恥なのか? 近藤春菜の「○○じゃねぇよ!」芸は女性らしさの逸脱でもある

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(C)柴田英里

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 先日、messyに掲載された『女芸人のブスネタが通用するのは国内限定。アリアナ・グランデ「近藤春菜はすごくかわいい」』という記事を読んで、「ブスネタはそんなに悪いものなのか?」と考え込んでしまいました。

 というのも、私自身がこれまで普通にテレビを見て育つ中で、女芸人の主体的なブスネタや、「女(らしさ)を捨てた芸」の類いに、かなり勇気をもらってきましたし、「女性性や“素敵な女性”評価などくそ食らえ」「女である前に芸人だ」という逸脱の仕方として、好意的に見ていたからです。

 そもそも、ハリセンボン近藤春菜の「○○じゃねぇよ!」のブスネタは、女性軽視なのでしょうか。まずそこを考えてみたいと思います。

 「マイケル・ムーアに似ている」とか、「シュレックに似ている」というネタで笑いを取る、そのネタで笑うということは、「マイケル・ムーアに似ている女性は笑える(笑っても良い)」「シュレックに似ている女性は笑える(笑っても良い)」という見方があることを露呈させることでもあります。極端な言い方をすれば、世の中にブス差別があることを認めることになります。「差別はなくすべきで、許されることではない」、それはもっともなことでありますが、現状、世の中には多種多様な差別や、人種や性別や貧富などにまつわるステレオタイプな見方がありますし、不細工を「個性的でかわいい」と誉めてみてもブス差別がなくなるわけでもありません。美人が不美人を「かわいい、絶対かわいい、めちゃくちゃかわいい」という具合に執拗に誉めることによって言外に自分の美しさを匂わせるような嫌がらせだって中にはあります。

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柴田英里

現代美術作家、文筆家。彫刻史において蔑ろにされてきた装飾性と、彫刻身体の攪乱と拡張をメインテーマに活動しています。Book Newsサイトにて『ケンタッキー・フランケンシュタイン博士の戦闘美少女研究室』を不定期で連載中。好きな肉は牛と馬、好きなエナジードリンクはオロナミンCとレッドブルです。現在、様々なマイノリティーの為のアートイベント「マイノリティー・アートポリティクス・アカデミー(MAPA)」の映像・記録誌をつくるためにCAMPFIREにてクラウドファンディングを実施中。

@erishibata

「マイノリティー・アートポリティクス・アカデミー(MAPA)」

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