――そこまで価値観が合っていたのに、なぜ別れてしまったんでしょう?
T「価値観は同じでも、実際一緒に過ごしていて楽しいかどうかはまた別の話だったんです。彼に悪いところがあるとかではないのに、なんかしっくりこなくて。頭では『彼と結婚すれば幸せになれる』と思ってるんだけど、気持ちがついていかなかったというか。恋愛と結婚は別物だと思い込もうとしていただけで、実際やってみると割り切れなかったんですよね」
――やっぱりTさんにとっては恋愛感情あっての結婚なんでしょうか。
T「そうかもしれません。彼のルックスがあまりタイプではなかったのも原因なのかなとも思います。結婚するなら中身が大事なのはわかるけど、ルックスが好きだから許せちゃうこともあるのかもって」
――まだ結婚願望はあるんですか?
T「もちろん。でも、こんなに価値観が合う人でも結婚に踏み切れないってことは、このまま結婚できないかも……とも思います。漠然と結婚したい気持ちはあるけど、どんな人と結婚したいのかわからなくなってきちゃいました」
結婚においては、相手の条件などを考える理性的な部分と、恋愛感情などの本能的な部分の両方が深く関わっており、どちらかが満たされているだけではうまくいかないケースもあります。どちらもバランスよく満たしている相手との出会いを待つか、それとも妥協してでも結婚を決断するか。いずれにせよ、結婚して本当によかったと思えるかどうかは数年後、数十年後のことでしょうから、自分の直感を信じるしかないのかもしれません。
(リオネル・メシ子)
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