ライフ

男性の強姦被害は「ゼロ」? 強姦罪は改正されるのか

【この記事のキーワード】
Photo by Alex Erde from Flickr

Photo by Alex Erde from Flickr

5月20日に決定された「女性活躍加速のための重点方針2016」には、JKビジネスなど女性に対する暴力の根絶についての記載があります。

性被害は、被害対象として想定されているのは女性であることがほとんどで、男性について語られることがなかなかありません。

しかしこの状況に変化の兆しが見えています。平成27年10月に、法制審議会で男性の性被害に深く関係する「強姦罪」についての議論が俎上にのせられたのです。

法律上、男性は強姦されない

日本は、強姦の男性被害者は「ゼロ」とされています。

なぜなら強姦罪(刑法177条)は「暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする」とされており、男性の被害者が想定されていないためです。

肛門性交など、男性も被害者になりうる行為は強制わいせつ罪(刑法176条)として処罰されることになっています。強制わいせつ罪は「13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする」と女性だけでなく男性も被害にあう想定がなされています。ただし、刑罰は6カ月以上10年以下の懲役であり、「3年以上の有期懲役」とされている強姦罪に比べると刑は軽くなります。

強姦罪の被害者を女性に限定することは、法律が男性の性被害の存在を認識していないか、または軽く見ていると捉えられてもおかしくありません。これは、男性に対する性差別と言えるでしょう。

なお、日本における男性への強制わいせつ罪の認知件数は、平成26年で214件となっています。「認知件数」ですから、実際の被害数は確実に多いでしょう。

また「刑事法(性犯罪関係)部会」配布資料によると、女性が加害者、男性が被害者となった性交の事例で、公判請求があったものは平成26年1月からの1年間に2件のみです。これが何罪に問われたのか等の詳しい説明は公開されていませんが、男性も当然、性交(類似行為)による性犯罪の被害者になるのです

1 2 3

[PR]
[PR]

messy新着記事一覧へ

少年への性的虐待―男性被害者の心的外傷と精神分析治療