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いちいち「女性の活躍を応援」しないで、人間として扱ってください。白紙になった総務省「ICT48」

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ICT女子プロジェクト

「ICT女子プロジェクト」HPより(※現在は削除済み)

 ICT(情報通信技術)分野の女性活躍を支援すべく、総務省の肝いりで立ち上がった「ICT女子プロジェクト」が、始動したばかりで炎上、白紙状態となった。

 総務省は上記プロジェクトについて6月9日にTwitterで発信し、「全国津々浦々でICTを用いて活動する女性(ICT女子)を発掘し、彼女達に一層の活躍の場を提供するための取り組みです!」と意気込んだ。そしてこのプロジェクトを盛り上げるために「48人の女子」を募集することを発表。それを「ICT48」と名付けた。活動内容は、ICT48のメンバーで3名×16チームを構成し、研究会が主催するイベント「ICTビジネスモデル発見&発表会」へ参加することだった。

 実際にこの「ICT女子プロジェクト」を運営するのはICTビジネス研究会(一般社団法人テレコムサービス協会)で、具体的には「ICT女子と企業・団体の交流を深め、女性ならではのアイデアで新ビジネス・サービスを創造することでICT利活用を推進」「これらの取り組みを積極的に情報発信することで、社会全体の女性たちの存在感を高め、IT業界へ就業する若手女性の増加を目指す」ことが予定されていた。

 この時点で「デター『女性ならでは』!」「なぜAKB48みたいな名前を……?」と疑問だが、公開されたICT48の応募資格と応募用紙は、まるで芸能事務所がタレントを募集するかのようなものだった。応募資格は、「ICTを用いて活動している女性であること」だけでなく、「2016年7月1日時点で13歳~24歳の方」、さらに応募用紙には「身長」「体重」「血液型」の記入欄、「アップ」と「全身」のカラー写真を貼り付ける欄が。Facebook、Twitter、InstagramのID記入欄も用意されていた。まるでアイドルグループでも作るのかと思わされるつくりで、即、Twitterで批判が拡散していった。結果、同プロジェクトは内容を見直すことになったのか、web上のプロジェクトページが丸々削除され、現在は白紙状態となっている。

 総務省は果たして、どのような女性を48人も集めるつもりだったのだろうか。また、写真審査と「13~24歳」という年齢制限を設けたのはなぜか。コンパニオン的な活動をさせることが目的だったのであろうか? ICT48の活動によって、ICT分野で働く女性が「応援されている」と実感することがあるのだろうか。ただなんとなく盛り上がりそう……という安易な見通しで立ち上げられたプランのように思えてならない。また、AKB48のような女性アイドルグループになぞらえた名称であることから、「結局ICT分野で働く女性ではなく、おっさんが満足するためのプロジェクトにすぎない」と辛辣な批判も多く出た。本当に「女性を応援する」気があるのなら、若さとルックスをウリにして活動させるような試みが生まれるとは考えられないからだ。

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ヒポポ照子

東京で働くお母さんのひとり。大きなカバを見るのが好きです。

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